岩波文庫<br> 富嶽百景・走れメロス他八篇

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岩波文庫
富嶽百景・走れメロス他八篇

  • 著者名:太宰治
  • 価格 ¥704(本体¥640)
  • 岩波書店(2019/01発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784003109014

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内容説明

太宰治が短篇の名手であることはひろく知られているが,ここに収めた作品は,いずれも様々な題材を,それぞれ素材に適わしい手法で描いていて,その手腕の確かさを今更のように思い起こさせる.表題作の他,『東京八景』『女生徒』『きりぎりす』『駈込み訴え』『魚服記』『ロマネスク』『満願』『八十八夜』を収録. (解説 井伏鱒二)

目次

目  次

 魚 服 記

 ロ マ ネ ス ク

 満     願

 富 嶽 百 景

 女 生 徒

 八 十 八 夜

 駆け込み訴え

 走 れ メ ロ ス

 き り ぎ り す

 東 京 八 景
   あ と が き(井伏鱒二)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

80
『富嶽百景』は精神的支柱である富士を軸。欠伸も心を許したればこそ。それから時は立ち、『東京八景』と『きりぎりす』で自戒し、公私の成長を経た『八十八夜』でのリフレッシュという前半生の描写。興味深いのが『満願』。『ロマネスク』の問う孤独感を、形は違えど自分に重ねるが、機知に富んだ奥様に癒された感。その奥様を彷彿させたのが『女生徒』。”妥協”への葛藤で揺れる心情も、寝床の願いに思わず共感。『駈込み訴え』と『走れメロス』も、本音と建前で揺れる心情の吐露と”邪推”。”作品構成も岩波の楽しみの1つですね。2018/06/21

まじゅ

57
「走れメロス」を再読するために購入。若い頃は絶対この人を理解したくないと思ってた。今読むとなんか新鮮。2012/11/30

優希

46
短編の名手だと思わずにはいられませんでした。それぞれの作品に趣があり、相応しい手法で描いている。だから面白いのかもしれません。変化自在の短編集と言っても良いでしょう。『駈込み訴え』がお気に入りです。2024/01/16

アナーキー靴下

45
初めて購入した太宰の本。当時は「駈込み訴え」目当てで他はさらっと読んだが、改めてまるごと読むと、心動かされる珠玉の一冊だったと気付いた。収録作は俗世間に勝てる見込みは薄いと感じながらも諦めきれず、もがく人間を見るものばかりだ。繊細で明晰な文章で表すその葛藤は、生きることそのもので、とても美しい。井伏鱒二の解説で紹介される太宰の手紙は、まるで悪魔に魂を売ったかのような、命そのものを言葉に転換しているような凄まじさがある。太宰にとって小説は、自らの夢や願い、そして誇りを切り売りすることであったのだろうか?2020/12/12

森の三時

35
経済的に苦労せず育ち、優れた能力もあり、現実認識や自己分析力に優れているくせに、問題解決力がない、もしくはやる気がない、平気で嘘で取り繕いごまかす、自分の駄目さ加減を言って回って自己保身する、女性を巻き込み不幸にする、太宰を読むと、これでもかとダメダメな記述があり、自分も奈落の底に引きずられそうで、もうやめてー、という気持ちになるので、しばらく避けていましたが、久しぶりに軽めの作品を選び読みました。特に、女性の独白的な作品の面白さは太宰にしか書けない情緒、素晴らしいなぁと感じます。2017/07/24

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