- ホーム
- > 電子書籍
- > ビジネス・経営・経済
内容説明
持続不可能な格差の拡大を長期データから指摘し、富裕層から貧困者への再分配を説いたピケティ。しかしマルクスは、資本家にとって労働者は利潤を生む商品に過ぎず、その賃金は生産段階で決まる以上、儲けは分配されぬと知っていた。この生産論を支える「階級」関係に、マル経の泰斗・宇野弘蔵が提唱した見えない階級「官僚」を加え、資本主義の内在論理に迫る、白熱の「資本論」講座第2弾。(解説・雨宮処凜)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
102
佐藤さんの6回のセミナーを文庫にしたものです。資本論の講義ですが、主に宇野弘蔵さんの本を助けに使っているようです。「経済学方法論」や「経済原論」などです。話し言葉での説明や生徒さんとのやり取りあるいは課題の解説などがあり非常にわかりやすくなっています。この本とその前の本(いま生きる資本論)を読めば資本論については一通り理解できると思われます。2018/10/23
佐島楓
63
資本主義の構造を俯瞰することで、自分のポジションを把握し、どう立ち回るべきか考える。この思考のレッスンを行うことで、智恵を鍛える。ビジネスパーソン必須の本ではないだろうか。余談の部分もとても面白かった。たぶんこの講義に参加しても、私の能力ではついていけないんだけれども。2018/08/07
ehirano1
52
“資本主義の内在性理論を理解し、今をどう生きるか”がテーマで、資本論と今生きるがどのように繋がっていくのか興味深いのかと思い手に取りました。しかも、あの佐藤氏がこのご時世に「階級」?という疑問もありました。資本論が当方にはどえらく難しいのですが、優しい解説が理解を助け、なぜ「階級論」かが明確になります。このあたりはミステリー感覚で読むと面白いし、リタイヤせずに済みそうです。お薦めです。2019/07/07
NY
9
『資本論』がこれほど現代に通じる書物だとは思わなかった。いかにインターネットが普及しようと、「第5次産業革命」が喧伝されようと、いまだ我々は『資本論』が分析の対象とした資本主義社会の真っ只中を生きており、格差や貧困などの矛盾はかつてないほど大きくなっているのだ。その解消に向けて自分はどのような切り口で貢献し、来たるべき根本的な社会構造の変化に備えるのか?「商品化された労働力」の提供しかできない自分がより良い人生を送るにはどうすればよいか?日々のストレスに悩む五里霧中の中で、考え、行動する勇気を与えられた。2018/10/08
templecity
9
「資本論」を元に学生への講義をまとめたもの。今まさに階級社会が顕在化している。経営者と労働者の身分が固定化しつつある。機会均等ではない。学費も国立でさえここ何年かで大幅に上がっており、家を持って子供をしっかり大学まで卒業させることが大変な時代になっている。国を担うエリートは能力があるものでなくてはならない。近年は学生の魅力も薄れて、本当に優秀なものが官僚にならなくなっている。これは懸念されること。 2018/09/08