中公新書<br> 斎宮―伊勢斎王たちの生きた古代史

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中公新書
斎宮―伊勢斎王たちの生きた古代史

  • 著者名:榎村寛之【著】
  • 価格 ¥1,012(本体¥920)
  • 中央公論新社(2019/01発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121024527

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内容説明

天皇の代替わりごとに占いで選ばれ、伊勢神宮に仕える未婚の皇女――それが斎王であり、その住まいが斎宮である。飛鳥時代から鎌倉時代まで六六〇年にわたって続いた斎宮を、あらゆる角度から紹介し、斎王一人一人の素顔に迫る。『伊勢物語』のモデルとなった斎王、皇后となり怨霊となった斎王、悲恋に泣いた斎王……彼女たちは都を離れた伊勢で何を祈り、何を思って人生を送ったのか。古代史の新たな姿が浮かびあがる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さつき

63
本書は歴代の斎王の中でも、その存在がターニングポイントになるような人を取り上げ解説しています。時の天皇自身の娘が斎王になる場合と、幼帝でなくても関係の薄い女性が卜定される場合があることが以前から気になっていました。三条帝のように摂関家と緊張状態にある天皇は、娘を斎王にすることで王権の権威を高めようとする場合があったとのこと。後白河院の皇女が三連続で斎王になっていることにも斎王という存在が政治に直結していたのだとわかりました。斎王の変遷をみることで平安時代の権力闘争も見えて興味深かったです。2017/12/02

かごむし

33
傍流から見た歴史というのは面白いものですね。テーマは伊勢斎王、斎宮のことですが、その背景としての古代朝廷史というべきものが一望できたことの方が、個人的に興味深いことでした。また、斎王なんて自分の視界に一度も入ったことがないと思っていましたが「源氏物語」に出てくる秋好中宮は元々斎王であるとか、政治的に特異な役割を負わされた生身の人間の生き様など、読みどころが多かったです。三重県に友達がいて、観光スポットとして伊勢神宮に遊びに行ったことがありますが、事前でも事後でも、いいパンフレットになる一冊だと思いました。2018/12/21

ゆずきゃらめる*平安時代とお花♪

30
古代の不安定な伊勢斎王から消えゆく斎王を著者が調べつくしたもの。私的には斎宮・斎王は華やかなものだと思っていた。最盛期は奈良時代後期から平安時代。選べられる姫は皇女か女王。幼い斎王もいて何年も帰れないのがほとんど。彼女らの幸せはどこにあったなかな。物語文学などでみても彼女たちの存在は薄い。しかし、彼女らだって時代に沿って生きてきたんだと、残したものもあると信じたい。2018/06/29

Shimaneko

19
刷り込みとは恐ろしいもんで、「斎宮」と聞いて真っ先に浮かぶイメージは今だに『日出処の天子』の布都姫なんだけど、こちらは伊勢神宮の斎王たちについての研究書。難読系の固有名詞がてんこ盛りで、読み進めるのにえらく時間がかかったものの、古代史って傍系ほど妙にそそられるのはなんでなのかしらん。2017/12/11

こぽぞう☆

17
図書館本。伊勢の斎宮歴史博物館の研究者が著者。斎王の住む斎宮がミニ都であったり、伊勢神宮と斎宮が意外と対立的だったり、驚くこと多し。斎王と言えば、白い衣を着て白木の神社っぽいところに住んでいたと勝手に思っていたので、なんだかびっくり。斎王に決められながらも、伊勢に行かなかった方、行ってもすぐ帰ってきた方、何十年もいた方、様々だ。2018/07/22

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