内容説明
ヨーロッパで生まれた「神話学」は、どのように広がり、どう変節してきたのか。ミュラーがダーウィンの思想と出会い、考えたこととは? フレイザーが『金枝篇』で遺した影響とは? レヴィ=ストロースは何を神話の源泉としたのか? キャンベルのつくった「健全な神話」とは何か?「神話」の定義から現代における影響まで、学説史に沿って文献を渉猟し、豊富な引用で、西洋に横たわる思想の本質に迫る意欲作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
塩崎ツトム
10
神話研究について、日本でも有名なフレイザー、レヴィ=ストロース、ジョーゼフ・キャンベルを通してざっくり説明。創作者の味方、キャンベルについては結構ぼろくそに書いている。ああ、またAmazonの欲しいものリストが増えていく。2019/02/04
さとうしん
10
古典的なものを中心とする神話学の学説史。神話学が元来比較言語学や人類学との関係が密接であったことや、レヴィ=ストロースが「構造」を神話学に取り入れたといった学問的背景、あるいは『金枝篇』がキリスト教批判として読まれたこと、キャンベルとスターウォーズとの関係など、学説の受容に関する話を面白く読んだ。古代・中世・近代の時代区分や「宗教」の定義などと同様、「神話」も西欧の基準を他者にあてはめるという側面が強いのではないかと感じたが…2019/01/17
みのくま
9
19世紀から20世紀までの神話学の系譜をミュラー、フレイザー、デュメジル、レヴィ=ストロース、エリアーデ、キャンベルの6名の学者を中心に描く。ただ内容はかなり辛口で、ミュラーやフレイザーの西洋中心の進歩史観を断罪するのみならず、20世紀以降のレヴィ=ストロースやエリアーデ、キャンベルの西洋近代批判もまた進歩史観を逆転しただけであり、西洋とそれ以外という二項対立の罠から抜け出せていないと指摘する。また、神話学および人類学や心理学の持つカルト的な一面についても重要な指摘をしており、この学問の難しさを痛感した。2024/08/18
ふるい
9
大変興味深く読んだ。どこまでが神話でどこからが物語なんだろう。レヴィ=ストロース難しそうだけど読んでみたい。キャンベルがやたら胡散臭く感じるw2019/03/02
mittsko
5
まさに表題のとおり、神話ならぬ神話「学」の入門書として、誠に相応しい一冊! 本当に勉強になります、強くつよくおすすめです 本書は神話学を「十九世紀型」と「二〇世紀型」に二分する大枠のもと、ミュラー、フレイザー、デュメジル、レヴィ=ストロース、エリアーデ、キャンベル、六人の神話学を順に紹介します 大家中の大家の業績をコンパクトに紹介していただけ、さらに学問分野とは学説史(方法と理論の積み重ね)であることよくよく示してくださる、ありがたい ※ 底本『神話学講義』1999年刊を、2019年に改題文庫化したもの2025/03/13
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