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内容説明
国語の授業はとかく批判されがちである。つまらない、役に立たない、小説を読む意味はない、といった声が聞こえてくる。そのため、論理力をつけるための内容に変えるべきだという意見も強まっている。でも、それで本当に国語の力はつくのだろうか? そこで、文学、論理といった枠にとらわれないで、読む力・書く力を身につけるための新しい考え方を提案する。これまでなかった国語の授業がここにお披露目される。
目次
第一章 現代文の授業から何を学んだのか?/第二章 小説を読むことの意味を問う/第三章 教科書にのる名作にツッコミをいれる/第四章「論理的」にもいろいろある/第五章 理解されやすい文章のセオリー/第六章 情報を整理し、ストーリーをつくる/第七章 論理ではなく、論拠を探せ!/第八章 すべての事実は物語られる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MIKI(magicrose)
29
前半の『羅生門』や『舞姫』といった定番教材を扱った解説も楽しく読みましたが、説明的な文章の「構成と展開」や、情報を精査しその信頼性を見極める力などについて触れた後半のほうがおもしろかったです。とくに、第5章「理解されやすい文章のセオリー」が良かった!実際の高校生のレポートを題材にして、「作中情報の見せ方」や事柄の関係性などに触れ、読んでいてスムーズではない箇所を具体的に指摘し、どうすればよくなるのかヒントを与えてくれるので、とてもわかりやすく感じました。2020/02/08
Ayakankoku
16
タイトルと内容が乖離しているなと感じた。なぜ国語の授業をつまらないと感じるのかという導入を興味深く読んだものの、その後からはかなり堅苦しくなっていた。うーん、いまいち。2021/03/15
ムーミン
14
うーん、国語教育について立ち止まって考えるきっかけにはなりました。けど……。2019/04/19
しずかな午後
13
本書は「国語の授業はつまらない?」というキャッチ―な問いかけから始まる。しかし、だからといって単純に授業を面白くする技法の本ではない。国語という教科が何を目指すべきかを掘り下げる一冊。そのため、内容は面白いのだが、結局どんな授業をすべきかは不透明なままであった。文学には既存の価値を揺るがす働きがあり、生徒のレベルに合わせて色んな文章に出会わせることの大切さ、などは生徒の顔が見えて面白かった。そして何より、5・6章の「構成と展開」を意識した文章の書き方が、かなり面白い。今後文章を書く上で参考にしなくては。2022/07/14
さとうしん
11
高校の国語教科書に掲載されている小説文の読み方、説明文・論説文の書き方、そして文章・情報のリテラシーの三部分から成る。国語の授業では何を目指されているのかという話で終わらずに、最後は人文学では知識がどのように出来上がっているのかを意識するようになることが目指されていると、人文学入門的な話へと橋渡ししていく。2019/04/24