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内容説明
95歳、脚下照顧という生き方 頭は明晰に、心は穏やかに当たり前の日常が変わる68の「視点」
かぜと個性
たまにはかぜで寝てみるのもいいものだ。自分の生き方をふりかえられる。かぜは生活の句読点のようなものでもある。テンもマルもない文章は気味が悪い。かぜひきはそんな理屈を考えて、自分を慰める。
それにかぜは個性である。同じかぜでありながら、人によって千差万別。
またなおりかけの気分が実によろしい。弱気を強気にし、悲観的な人間にも希望というものがあると考えさせる。ー本書より
本書は、毎日新聞出版から二〇一〇年三月に刊行された『頭の旅』を改題、加筆修正したものを新書化したものです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポタオ
22
外山さんのエッセイ集でした。読んでいて思ったのは、90代の人が書く文章は深みが違うなということです。そう思うのは90代の作家さんを自分が読んできてないからなのかもしれないです。ですが、普通の作家さんたちとは絶対的に生きてこられた時間が違う人で、経験や体験を交えた話しを書かれると、温故知新というか、勉強になるなぁと思うことばかりでした。面白かったです。2019/03/22
肉尊
7
「知の巨人」とも称される外山滋比古のエッセイ集。老いてますます盛んともいわんばかりに日常のさりげない様子が綴られている。題名と内容のギャップに笑ってしまったが、軽い気持ちで読み進められたので癒しの一冊だった。それにしても著名な作家さんの家には全国から様々なモノが送られてくるんだなぁ。2020/05/08
nnnともろー
6
この著者の本だから、キッチリとした評論だと勝手に考えていたら、軽いエッセイ集だった。人生も老境に入ると、感じ方、考え方も変わるのだろう。味わい深い。2020/02/14
dice-kn
4
エッセイ集でいくつかのテーマに分かれてましたが食べ物に関する部分が一番興味深かったです。”口がぬれてくる”という表現が良いですね(よだれとは言わない)。歳を取ると味覚が鈍くなってしまうのかどうか・・これからはもっと味わって食事をしていきたいと思います。2021/01/11
良さん
2
章と節の題名の付け方が面白い。流れるようにどんどんつながっていく68のエッセイ。すべてがストーリーになっているように感じる。 【心に残った言葉】われわれの人生もつまりは長いマラソンのようなものかもしれないと考える。走ってみなければ、かけ出しだけではわからない。スタートのことばかり大騒ぎするのはおかしいのである。それは競馬だって同じこと。フィナーレに向かってどう走るか。マラソンはそれを無言で教えてくれる。(260頁)2019/03/30