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内容説明
貸本怪奇漫画の名作、『墓の町』『墓をほる男』『人魂を飼う男』の3作品に加え、未発表原稿『人魂の効能』を収録。恐ろしく不気味な世界を時にリアルに、時にユーモアたっぷりに描く、水木ワールド全開の怪奇作品集。一度ページをめくれば、誰もがこの世界の虜になる……。 ★解説「こんな夢はみていない」近藤ようこ(漫画家)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
18
貸本時代の三作を収録した全集第五巻。どの作品も、怖くて、そしてトボけている。表題作「墓の町」は、主人公の夫婦がアメコミ調で描かれているのに対し、霊界のキャラクターになると、いわゆるコミカルな水木タッチなのだ。普通、怖さを表現しようとすれば、アメコミ調を採用しそうなものだが、水木はそれを逆転させている。人間界のほうが怖い、あるいは、霊界のほうが活き活きしている、そんな主題が、タッチの違いに込められているのかもしれない。2016/05/08
軍縮地球市民shinshin
8
水木の貸本時代の長編3冊分が収録。どの作品も非常に味わい深い。表題作「墓の町」は小学生の時に読んだのが最初だが、今読んでも怖くてどこかユーモラスな感じが非常に良い。2016/05/03
剛腕伝説
7
墓の町、墓を掘る男など。後の作品に見られるような怪奇もの。2024/02/15
スローリーダー
3
(大人になった)今だから面白く読めるけど、幼少期だったら気持ちが悪くて本に近寄ることすら出来なかったろう。今だって鬼太郎に馴染んでいるから読めるのであって、未知の漫画家の作品だったら、やっぱり気持ち悪くて本に触ることも出来なかったと思う。そんな水木しげる貸本漫画時代の長編怪談3作。怖いというよりは不思議な設定。「墓の町」も「人魂を飼う男」も独創的な怪談。決して恐怖一辺倒では無い。ナンセンスな可笑しさがそこかしこにある。画は総じて乱雑。忙しくて丁寧に描いている暇はなかったんだろうと勝手に想像した。2025/09/14
Fumitaka
3
墓の町の中心部がベックリーンの〈死の島〉だ(p. 81)。天地命に襲われる男の顔(p. 93)は大全集版『地底の足音』の表紙の絵であり、水木しげる先生はしばしば自作からの絵の引用も行っている。「これはですねえ 単なる物質にすぎないのですよ」(p. 218)こういった価値観は水木しげる作品において否定的なものとして幾度か描出される。人間が単に即物的であり続けていたならば芸術や人文学が成立しないというのもまた事実である。「理論は、大衆を捉えるや否や、物質的な力となる」(マルクス『ヘーゲル法哲学批判序論』)。2024/07/18
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