内容説明
自分を文学の世界に導いてくれた、兄のように慕う先輩作家が、原稿を郵便で出した帰途、トラックに轢かれ死んだ。理不尽な死を前に混乱、自失する家族や友人たち。青年は深い喪失感を抱えながら、社会との折り合いに惑い、生と死の意味を問い続ける。三四歳で早世した山川方夫の人生を、彼の最も近くで生きた著者が小説に刻んだ鎮魂の書。
目次
第一章
第二章
第三章
第四章
第五章
第六章
第七章
第八章
著者から読者へ
解説 若松英輔
年譜
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
悠
5
事故で早世した先輩作家・山川方夫をめぐる追想を中心に、著者の原点ともいうべき「三田文学」周辺の若き日々を描いているからといって、たんなる文壇マニア向けの私小説と思うなかれ。文学の道へと導いてくれた先輩の死にむきあいながら、仕事と文学の両立に悩む姿は、働くことに精一杯で、物事を深く考える余裕を失っていたころ読んで感銘を受けた、後年の名篇『眠らんかな』へと連なっている。会社勤めと文学のはざまでゆれる煩悶は、文学のかわりに、音楽やスポーツ、旅行など、思い思いに重ねあわせれば、とたんに切実さをおびてくるだろう。 2016/07/12
いのふみ
2
死者が、生前はもちろん、死後も遺された者に影響を与え、生き続けるという厳粛な事実が丁寧に記述されている。2023/08/13
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