内容説明
ノーベル賞科学者の「人間力」に迫る! iPS細胞による再生医療の実現に向け、京大iPS細胞研究所(CiRA)を率い、苦闘する日々……ノーベル賞科学者の栄光と挫折を、山中伸弥が自ら語る! 周囲の証言を交え初めて描く、「人間力」の秘密。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井月 奎(いづき けい)
44
私は山中伸弥教授の大ファンでして、彼がいるのであれば人の世の未来は明るいのではないかとすら思います。iPS細胞の発見という偉業もですが人間性が素晴らしいのです。今年のノーベル平和賞を受けても私は驚きません。行きわたる治療を目指し、政治的な活動や経営者的なネゴシエートを行い、自らを広告塔としてマラソンレースに出場する。寝る暇あるのかいな?と思わせるような行動力です。著書内で彼は「頑張ります」と言い、こう続けます。「一番頑張っているのは患者さんなのです。なので私もつい頑張ってしまうのです」と。シビれますねえ。2020/02/12
akira
21
図書館本。 興味深い一冊。江崎玲於奈氏、井山裕太氏との対談は豪華。そして長期研究を可能とするための奔走には本当に頭が下がる。世界最高の賞を取り、あとは悠々自適に研究もできただろう。そうではない氏の根底にある実用化の目標。 大学のころ、これからはES細胞だとよく言われていた。だがあらためて考えてみるとヒトの受精卵を使うことには大きな倫理的問題が存在する。遠回りでもこの根源的な問題を無視せずに道を模索したビジョン。続けるためには、どこかで決断する勇気が要るなと。 「生命の萌芽を壊していいのか」2019/10/13
くみん
15
人間『山中伸弥』を知るには良い本でした。新聞に連載のエッセー(?)をまとめ加筆されているので、iPS細胞など研究内容などを深く知りたい方は不満かもしれません。先生の生きる姿勢や続けることの素晴らしさに背筋が伸びます。2018/10/16
ichi
15
【図書館本】山中さんの人間性にとても惹かれるものがあり本を手にしました。研究所の運営や今後の育成などただ研究だけをしているのではないことを知り、また難病で苦しんでいる人のために。と新薬をより安く、早く送り届けよう。という信念に頭が上がりません。そしてそれが実際に実現しつつあることが、とても嬉しいです。2018/09/30
お静
12
ips 細胞という言葉は聞いてはいたがこの本で詳しくわかった。山中伸弥氏の研究にかけるぶれない思いが伝わった。マラソンは彼にとって人生のバランスを取っている必要不可欠なファクターであろう。ついて来られるのが嫌、頼られるのが嫌、生真面目、好き嫌いが激しいとの性格は何故か好感がもてた。2019/01/27