内容説明
碧き航路を脅かした異型の敵《セイレーン》に対抗すべく、人類が軍事連合《アズールレーン》を創設した世界。
《レッドアクシズ》に属する国家「重桜」駆逐艦の少女・綾波が着任している母港でとあるニュースが瞬く間に広がった。
それは、綾波と指揮官が固いキズナ――「ケッコン」で結ばれるという衝撃的なもの。
初のケッコンということで、にわかに色めき立つ艦船(KAN-SEN)の少女たち。
祝福の声をあげる者や、羨望の眼差しを向ける者。そして、ある者はそのケッコンに「待った」をかけ始め……？
大人気ゲーム『アズールレーン』スピンオフ!! ここに開幕！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真白優樹
11
アズールレーンの世界のどこかの母港で、綾波と指揮官がケッコンする事が様々な騒動を巻き起こす物語。―――揺れる波紋は波となり、心に漣を巻き起こす。 アズールレーンのスピンオフの一種であるこの物語は、ケッコンという重要な制度と艦船の少女達の内面に光を当てた物語であり、祝福し、戸惑い、そして嫉妬で狂うなどの様々な反応の中、綾波が指揮官の隣に立つ者として成長する、そんな繊細な心の動きと成長の兆が、どこか温かい面白さを生み出している物語である。帰る場所がある、だから強くなれるから。 うん、とても面白かった。2018/12/22
彼方
6
指揮官と結ばれる固いキズナーー「ケッコン」に焦点を当てた新たなアズールレーンノベライズ。綾波にケッコンを申し込んだ所から始まり艦船達に波乱が広がっていくわけですが…登場するどの子も丁寧に描かれていて細かい艦装の設定だったりミニイベなども拾う丁寧な作りで色々満足。軸となるケッコンにもきちんと向き合い肝心の赤城も単なるヒール役に収まらない良い案配で、最初にラフィーとケッコンしたもののジュウコン指揮官な自分としては胸に刺さるものがありつつ…完成度の高いスピンオフでした。またこの作者さんに何か書いてほしいなぁ…。2018/12/23
アーサー・エリス
3
待望の重桜メインのスピンオフで描かれるのは「ケッコン」。メインとなる綾波のみならずサブキャラに至るまで各KANSENの心情描写が細かく、綾波がケッコンを経てさらに成長していく様子や私情と重桜旗艦としての責務に板挟みになる長門の苦悩、図らずも重桜艦隊のバランサーになってしまっている加賀の苦労など細かに伝わってくる。ゲーム的な設定をうまく世界観設定に昇華しているのも面白い。先行する2作に負けず劣らずの良作ノベライズ。次回作があるとしたら、綾波は赤城さん以外のヤンデレ勢とも戦わなければいけないのだろうか…(笑)2018/12/28
