内容説明
無意識の記憶の突然の喚起をきっかけとして、主人公の城栄は、静岡県の田舎で伯母に育てられた牧歌的な日々の回想に誘いこまれる。早くも「喪失」の意味を知った少年は、伯母の死後、冒険的実業家の父親と暮らし始め、虚飾に満ちた社交界をつぶさに観察することになる。新しいヨーロッパ文学の方法をみごとに生かした、戦後文学に新たな地平を拓き、戦後文学を代表する、記念碑的長篇ロマン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kamiya
2
時系列が複雑なところは難しかった。プルーストの『失われた時を求めて』に影響を受けているみたいだから、そっちも読まないとな。2021/02/07
ouosou
1
死に支えられ、また死に対してある種の冷淡さが感じられる。死は祝祭ではなく折り重なるものである。2016/05/15
飯沼ふるい
0
文学史的には重要なのかもしれないけど今の時代遡ってまで読む価値あるかと問われれば首を傾げざるをえない昔の純文学……好きです。今のトガった文学とは違う良さがある。死生に対する素朴で深刻なとらわれっぷりとか。 この小説、現在の語り手が幼年期から現在までの過去を想起するという話だけど、その過程で何度も時間が飛ぶ。父の死の前後のことがあちこちに散らばり、過去がまた過去や未来の想起へのとっかかりになり、ややこしい。(続く)2019/01/03
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