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内容説明
武勇伝に隠された天才ゆえの孤独
破天荒な伝説で語り継がれる天才の素顔は誰よりも繊細でナイーブだった。
貴重な資料で、芸術の神に挑んで散った生涯を炙り出す。
「座頭市」と豪快な勝新伝説で知られる勝新太郎。
本書は映画製作者としての勝とその凄まじい現場を
スタッフの証言を元に再現し、繊細すぎる実像を浮き彫りにする。
純粋さが加速させる狂気のノンフィクション。
【目次】
序
第一章 神が天井から降りてくる――映像作家・勝新太郎
第二章 負けてたまるか 映画スター・勝新太郎の誕生
第三章 勝プロダクションの設立
第四章 オレは座頭市だ――『新・座頭市』
第五章 神が降りてこない……
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
97
勝新太郎の評伝である。 時代劇研究家でもある著者が描く本評伝は かつて隆盛を誇った時代劇への想いが 感じられ、心地良い。 勝新太郎の若き日と並行して語られる 昭和の映画史の裏側が今に甦る…金よりも 良い芝居作りに拘った役者たちの昭和の物語だった。2022/03/12
nonpono
65
罹患中の帯状疱疹が気温や気圧が下がるとぴりぴりする。身体が熱を持つ。まるで本書のようである。勝新太郎の名前を意識したのはワイドショーでコカイン所持の会見を見たからかな。サービス精神旺盛な過剰な人だと思った。その前に見ていた大河ドラマ「独眼竜政宗」のあの秀吉が勝新太郎だったのかと初めて結びついた。まさに天才。これは周りが大変だと思った。いいところまでいくが、天才の完璧主義ゆえにお金がおいつかない、話が流れてしまう。だけどだからこそ、一筋の光のような絶品な名作も生まれるのだ。昭和に咲いた天才の一生を垣間見た。2025/01/10
姉勤
43
勝新太郎の中の勝新太郎を御す事が出来たら、世界的役者として名を残したかもしれない。そのかわり、彼の魅力に惹かれ、役者や映画屋が残した作品もまた、世に生まれなかったかも。即興の芝居の神に憑かれた彼の演る舞台は、歌舞伎や演劇のほうが向いていたかもしれない。が、より多くの人たち、文字通り万人に観てもらいたくて、映画やテレビを選んだのだろう。それが茨の道だとしても。そんなことより、座頭市はいい。2014/08/21
ただいま蔵書整理中の18歳女子大生そっくりおじさん・寺
37
これは面白かった。今や日本の映画スターというのはこの先現れない歴史上の人物である。高倉健と吉永小百合が亡くなれば死滅であろう。勝新は若い時から坂口安吾や有吉佐和子に三味線の腕を愛され、歌舞伎の名人上手の芸を盗む。映画デビューで抱いた市川雷蔵へのコンプレックス。アメリカで見たデビュー前のジェームス・ディーン。幼なじみは宇津井健。座頭市のヒットで行った中国で見たブルース・リー…この前半だけでも山田風太郎明治小説張りである。芸人が芸術家になり、ゴッホ的になる物語だが、愛されていたのが伝わる。お勧め。2014/06/25
金吾
27
役者を極めようとしていた人であることがよく伝わります。純粋でありそれだけにあちこちとぶつかりながら進んでいったのだろうと思いました。父の葬儀における緒形拳とのエピソードのように演技という一点に全てを傾注しているのは凄まじいと感じました。2021/06/17
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