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内容説明
友達の心ない一言で、しゃべることができなくなった真一は、ママのアメリカ出張中、ママの親友のマリさんの家に預けられることになった。初めて会ったマリさんは、「オトコなのにオンナ」? 不思議な人だった……。傷つき声を失ったぼくが、そんなマリさんと過ごす一週間。感動の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
101
失語症になってしまった少年が、母の出張中母の親友マリさんに預けられる。派手な化粧のマリさんにはヒゲ剃りあとが…。喋れないこともママゆずりの完璧主義も、シンのすべてを大きく包み込むマリさんの優しさが素晴らしい。自分を肯定してくれる人との出会いがシンの固まってしまった心を解きほぐしていく。子どもは褒められて喜ばれて自分の存在価値を見つけていくものだ。2016/09/29
chimako
67
初めて会ったとき、ぼくは気づいた。マリさんって男?……豪快にして繊細、働き者のマリさんと暮らした一週間。マリさんは誉めてくれた。「料理のセンスがあるんじゃない?」と。お隣のきららさんも感心してくれた。「地図をかく才能あるね。」って。いつもいつも聞こえていた嫌な声がだんだん聞こえなくなってきた。マリさんは教えてくれた。嫌な言葉は聞こえなかったことにする。嫌なことは無かったことにする。辛いことはたくさんあるけど、シンがマリさんに焼きそばを作るシーンは何気ない幸せにあふれている。ああ、そういうことだなと。2015/06/05
はつばあば
58
子供にも、また弱った時の私達にも、何気ない一言がトラウマになったり救いになったりもする。表紙の紫陽花のように人にも色々な色がある。そんな色々な色を受け入れてこそ綺麗に咲き誇ることができるのじゃない?。。他人と暮らす一週間は子供にとって大変な冒険だ。マリさんと一緒に歩くことへの抵抗も、彼女の言葉の暖かさにいつしか平気となる。「あなたがいるからがんばれる」その言葉の偉大さ。私も、手のかかる母と主人がいるから頑張れる!(^_-)-☆2016/06/16
ぶんこ
50
母親が一週間の海外出張となり、父を亡くしているシンちゃんは母の幼馴染みのマリさんに預けられる。マリさんは朝は銭湯の掃除、夜はスナックで働く女装の人。顔が長く、パッカパッカと歩く馬に似た人だが、とても優しい。親友の心ない言葉にうちのまされ、声が出なくなっていたシンちゃんですが、マリさんや借金取りから逃げまわっているきららさんから、お料理や地図作成を褒められて自信を取り戻していきます。子供にとって褒められる事が大切だと実感させてくれる物語。2020/11/13
こばまり
48
マリさんのようなマリさんになりたいと思った次第。装丁の話で恐縮だが見返紙がうっとりするような黄色で、いつまでも触っていたいと思う手触り。2016/06/11