騒音文化論

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騒音文化論

  • 著者名:中島義道【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • シティブックス(2018/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062565110

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内容説明

駅の構内放送、電車や新幹線内の放送、デパートやスーパーマーケットをはじめとする商業施設、商店街、個人商店、行政のスピーカーから流れる放送、そして車からの警告音などなど。街には機械音、肉声を問わず、スピーカーを通じて様々な音が流れている。そうした音、騒がしい状況を日本人は何の抵抗もなく受け入れている。だが、それに耐えられない人たちもいるのだ。抵抗なく受け入れられる人をマジョリティとするなら、耐えられない人はマイノリティとなる。闘う哲学者として問題提起をしてきた著者が、ここでは「騒音社会」で、静かな空間を求めると同時に、悪露に対する少数派の権利をどう考えるか、という問題について展開をしていく。ことに音は単に数値で測定をして「大きい」というだけではなく、個人差や状況によって「嫌悪」を感じるものなのだ。それは性的なマイノリティや、趣味や趣向の少数派差別にも通じるものだという。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

19
街を歩いていると勝手に耳に入ってくる音の数々。BGMも呼び込みも注意喚起の放送も確かにうるさい。そうしたことについて克明かつ執拗に抗議する中島先生の姿は素晴らしい(ただの偏屈おじさんと紙一重な部分もあるけれど) 自分が不快に感じるコト&モノに対して感度を下げることなく、徹底的に不快さを抱きしめ掘り下げ分析し、どうして不快なのかと考え続けられることは感性のマジョリティにのみ与えられた特権なのかもしれませんね。2019/08/28

Shunsuke

2
私も都心に引っ越してきたとき町の喧騒に嫌気がさし、著者と同じく耳栓とヘッドホンをしていたことがある。今では気にならなくなってしまったが(著者からは激しく嫌われる人種であろう)。音に関する話だけではなく、お節介なサインが無個性で無責任な日本人、につながる話は興味深かった。日本人は物質的に自然を破壊しても観念上の自然は傷つかないから構わない、という指摘は慧眼。2015/10/21

ヒュンフ

1
半分程度読んで終わり。 単純な音の飽和と標語ノイローゼ、垂れ幕などのやかましさに関してはきょうかんできたので読んでみると筆者の言ってる通り彼が一番うるさい この人は暇なのかな。何故他の人は声をあげないと憤慨しているが余暇に差があるからってのが一番の理由 「 交通安全月間らの垂れ幕、あれは免罪符やパフォーマンスの意味しかないように思える 頑張ってるアピール 周囲から見れば暑苦しいが本人は満足気 押し付けがましい感じは日本のウェブデザインとも近い うるささに関しては私個人も日本じゃ浮いてるのかもしれない2019/11/07

キムチ

1
11年前の本。それから時を経て「音の文化」は成熟しただろうか。「一見平和」のこの国のみならずアジア圏はどこも「喧しい」これも文化か・・ 音のみならず文化にはすべてマジョリティ、マイノリティの対立はあるもので、筆者の論法もどうかすると「うるさい」文化論かも。 しかし、政治に阿部氏が復活して、また「美しい日本、誇りある日本」と声高に言われると、確かに音でなく「主張」がうるさく感じる?!2012/09/30

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