筑摩選書<br> 宣教師ザビエルと被差別民

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筑摩選書
宣教師ザビエルと被差別民

  • 著者名:沖浦和光【著】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 筑摩書房(2018/12発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480016478

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内容説明

宗教改革、大航海時代という世界史の転換期、日本はその影響をどう受けたのか? バスク生まれのザビエルは、カトリック改革派として、アジア底辺層への布教に乗り出す。その活動は日本にも及ぶ。ザビエルら宣教師たちは、ハンセン病患者を救済し、被差別民へも布教の手を差し伸べる……。やがて徳川幕府による禁制は身分差別強化のもととなる。しかし、その後も二百数十年にわたりキリシタン信仰は地下水脈のように受け継がれていった。差別問題をアジア思想史レベルでとらえ続けた沖浦和光が取組んだ最後の著作。

目次

第1章 《宗教改革》と《大航海時代》の申し子・ザビエル
第2章 ザビエルを日本へと導いた出会い
第3章 ゴアを訪れて
第4章 ザビエルが訪れた香料列島
第5章 戦国時代の世情と仏教
第6章 ザビエルの上陸とキリスト教の広がり
第7章 戦国期キリシタンの渡来と「救癩」運動
第8章 オランダの台頭
第9章 賎民制の推移
第10章 「宗門人別改」制と「キリシタン類族改」制

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かおりんご

34
ザビエルがキリスト教の布教をしたことは知っていても、誰にしたとは詳しく考えたことがなかったので新鮮でした。ライ病者やエタ、ヒニンと呼ばれる人たちに進んで手をさしのべ、布教活動を行っていたんですね。そしてそういった人たちの中に、殉教した人が多かったとか。知らなかったことが多く、興味深く読みました。2017/05/08

空猫

23
書評委員,柄谷行人氏の「今年(2017)の3点」から。旅に出るというだけでも命懸けだった時代に言葉も通じない地球の裏側へ行こうなぞ自殺行為レベルだったはず。それを実行したのは侵略,植民地化するのも目的だと思っていた。が宣教師達の布教は、前世の悪行が原因だったとされ仏や神の慈悲から見放されていた不可触民、貧民、ハンセン病患者が主だった対象だったそうだ。『沈黙』も本書読了後だと重みが違っていたかも。2018/01/09

月をみるもの

10
映画「沈黙」を見る前の予習に、、、とか思っていたのだが、そんな生半可な思いは一瞬で吹き飛ばされた。布教の最前線を担った「琵琶法師ロレンソ」「盲の行商人ダミアン」を描いた小説を力のある小説家に書いてほしい。。2017/09/03

Hiroki Nishizumi

5
読み始めからザビエルに対する熱い想いが伝わる。ところが肝心の中身は何かしら訴えるところが弱く感じた。それでもまぁ参考になったが。2020/08/03

Sumiyuki

4
悪人正機説の一面を持つキリスト教。インドにおけるヒンドゥー教や、ヒンドゥー教の流れをくむ密教の元での被差別民を中心に信者を獲得する。同じ悪人正機説の浄土真宗とキリスト教の違いが知りたい。中世、近世の日本の仏教諸派の勢力図はどうなっていたのか。イメージとしては浄土真宗が強そうなので、キリスト教がつけ込む余地がなさそう。しかし、穢多非人の差別を否定しない浄土真宗に対して、被差別民は失望していたのか。キリシタン撲滅のために江戸幕府が行なった宗門改が、穢多非人の固定化につながった。癩者は、仏教の慈悲も及ばぬ。2017/04/09

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