内容説明
鶴賀鶴八と鶴次郎は女の三味線弾きに男の太夫と珍しい組み合わせの新内語り。若手ながらイキの合った芸で名人と言われる。内心では愛し合う二人だが、一徹な性格故に喧嘩が多く、晴れて結ばれる直前に別れてしまう。裕福な会席料理屋に嫁いだ鶴八と、人気を失い転落する鶴次郎。三年後再会した二人の行く末を描く表題作に『風流深川唄』など三編収録の傑作集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
michel
17
★4.2。軽妙な語り口でトントンと展開していき、知らない間にほろりと幕を下ろす人情物語。師匠の娘、鶴八。師匠の弟子、鶴次郎。どちらがかけても芸はならず。芸に生きる2人の引き合う親愛がしんみりと心に沁みた。こんな恋、いいなぁ。2020/01/11
くろすけ
17
芸と恋に注ぐ情熱。男も女も熱い!そうだよね、芸も恋も理屈でするもんじゃない。どうしようもなく突き動かされるものだよね。その果てに身を滅ぼしたって本望ってもんだ。明治に生きるそんな江戸っ子たちの潔くもどこか哀しい人情物語三篇。お正月に日本酒ちびちびやりながら読むのに最高でした☆2019/02/03
きのこ
15
直木賞75/187 栄えある第一回直木賞受賞作。とんでもなく秀逸!男女の機微をここまで描くか。切なすぎる。久々の蔵書行きです。2018/08/16
NICK6
6
鶴八鶴次郎 .. 女と男、ともに、芸に生きる。一緒の時間と一緒の空間。そこに一生の人生。入り込んで絡み合う情けとプライド。交わっている感情が交わっちゃあ駄目な理由。一緒になれない理由。男の賢さは女の情愛を受け取らず、不本意な嘘と意志で崩していくのだよ。シンプルなストーリーながら、会話と文章には艶と粋が流れている。ホント素晴らしい。 2022/09/04
Yasuhiko Ito
2
同じ時代を描いた菊池寛の作品などとは違って、時代背景は明治終わり頃でも電話も自動車も一切出てこない、江戸情緒全開の泣けるお話。我々が昭和30年代を懐かしむように、昭和初期の日本人も明治を懐かし慈しんでいたんだろうね。2018/07/05
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