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内容説明
明治維新から約80年で消滅した「大日本帝国」。日露戦争の勝利や第一次世界大戦以降、「世界の五大国」に数えられるなど過去の栄光から一転して、大東亜戦争の敗戦へと続く“滅亡の過程”には何があったのか? 本書は、気鋭の政治学者が「帝国陸海軍と西郷軍の奇妙な一致点」「濱口総理は、統帥権問題で憲法論議を避けた」「近衛文麿の新党運動は、政党の降伏運動」「目先の利益を追い求める外交の末路」など独自の視点から、大日本帝国が犯した失敗の教訓を導き出す。“同じ敗因”を繰り返し続ける、現代日本に警鐘を鳴らす一冊。 【目次】●第1章 「玉砕の伝統」~誤れる西郷精神 ●第2章 統帥権干犯と憲法改正反対~文書に支配される政治 ●第3章 政党はいかにして自壊していくのか~汚職と二枚舌 ●第4章 汪兆銘と台湾断交~信義を裏切る「現実」外交 ●第5章 日露戦争に見る大東亜戦争の敗因~成功から「失敗の種」を見つける難しさ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふたば@気合いは、心を込めて準備中
5
失敗から何を学ぶべきか、よりも、政治家や軍部の情けない状況についての考察かな、と思った。明治から、太平洋戦争まで、日本は迷走状態だったように感じた。良い政治家や、軍人もいたが、大勢のポテンシャルの低い指導者のために、日本が誤った方向に歩を進めてしまったように思う。今、憲法改正の動きがあり、是非が問われている。敗戦によって押し付けられ、しかも現在の世界情勢に合わなくなっているこの憲法、一度改正も視野に入れた、徹底的な議論をして欲しいと思う。自国の憲法は、自国で制定したいと思うのはおかしいだろうか。2018/09/16
イシカミハサミ
3
歴史から学ぶ、とくに失敗から学ぶというのは、 歴史を学ぶことの意味そのものともいえる。 ただ、実際に活かせる教訓かどうかは、 とくに説教にするときには注意しないと、 時間の無駄になりかねない。 そう考えるとこの1冊は ――特に3章の政党の失敗への糾弾以降は 話が批判と個人の失敗に偏っていって、 あまり今後に生かせるような示唆はなかったかな。 日露戦争勝利から大東亜戦争での敗戦までの流れは、 失敗というよりは歴史の必然、という気がする。 もちろん「失敗の種を成功からみつける」という過程は大切だけれど。2019/01/29
ゆきまさくん
1
瀧澤中氏の失敗の研究シリーズ。 大東亜戦争は、本当に軍部だけの責任なのか。日本を敗戦に導いたのは誰なのか。政治にも責任はなかったのか。この時の政党や政治家は、国の機能を統合する役割を果たせていなかったのではないか。 なとなど、政治力の衰えが敗戦を招いたことを分析している。 氏の分析で面白いのは、歴史の事象を現代と比較したり、あてはめている点。 2018/08/19