内容説明
2016年3月11日、「東日本大震災」から5年。津波で甚大な被害を受けた宮城県東松島市に、3人の高校生がいる。彼らは、あの日を「ただのつらかった過去」にせず、「学び」に変えるために立ち上がった若き震災の語り部だ。彼らはこの5年間、何を思い、何に迷い、歩んできたのか。本書はあの日、まだ小学5年生だった子どもたちが歩んできた3.11の記録であり、彼らが見据える未来を書き留めた「希望の書」である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃちゃ
87
小学5年生で3.11を経験した子どもたち。震災から5年、高校生になった3人が、自分の言葉で真摯に語る。彼らは当時、自分の苦しさを大人には相談できなかったと言う。深い哀しみを抱えつつ再建に奔走する家族。様々な配慮から震災のことに口を閉ざす教師。周囲の大人への気遣いから、心に渦巻く思いに蓋をして言葉にできなかった子どもたちに心が痛む。けれど、あの頃のことを今率直に語ることで、自分が救われ他者を救うことができると彼らは感じている。辛い体験を未来の生き方に繋げていこうとする、子どもの逞しさは希望そのものだ。2018/03/12
アルピニア
57
11年目の3・11に。小5の時に被災し、その後体験を語る活動を始めた3人の高校生(発刊2016年時)。3・11直後の学校の状態、子供たちがどのような気持ちで過ごしていたのかを知り、胸が圧し潰されるようだった。「震災のことを口にしないように」して過ごした日々。何も話さない、話せない大人たち。その気持ちもすべて分かっているから何も言えなかった子供たち。それぞれ受け止め方も受け入れるために必要な時間も違う。見守り、寄り添うことの大事さ、難しさを痛感する。語りが同世代の心に響き、受け継がれていることに光が見えた。2022/03/09
えんちゃん
57
ネットトピで紹介されていた1冊。当時小学5年生だった3人の高校生が語る3.11。ニュースでは伝えられなかった被災地のありのまま。目の前で流されていく人。伸ばせなかった手。同級生にイラつき投げた机。子供を押しのけて物資に群がる大人達。災害は必ずまたやってくる。『未災地』の人々に伝えたい彼らの言葉。受け止めよう。語ってくれてありがとう。2020/03/20
ポチ
42
子供達の見た3・11とその後。高校生になった彼・彼女らが、その時の辛さ・悲しさ・言いようの無い絶望感等と正面から向き合い、今後の未来の為になるならと語った記録。16歳の高校生の言葉だからと軽く考えないで、大人達は真摯に向き合う必要があると思う。女川の中学生が詠んだ句"ただいまと 聞きたい声が 聞こえない"心に残りました。2016/05/20
かいゆう
32
2011年3月11日東日本大震災。当時5年生だった3人の子どもたちが、あの時とあれからを語っている。ニュースには映らない、彼らの目にしたもの、彼らの思い。被災地の中でさえも、その置かれている状況により、感じ方、思う事が違う。震災の事を忘れたい人、触れたくない人もいるだろうが、彼らは語る事を選んだ。記憶は薄れていくもの。被害にあっていない所も“未災地”。心の準備も含めた備えを。明日も「ただいま」と言えるよう、「一日一日を大切に生きていくこと」。この本を読み終えた今の気持ちを覚えておきたいと思う。2016/10/07
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