内容説明
スタイリストとして成功する妻を横目に、育児に追われる主夫の浩介。家事も育児も手伝わないラジオDJの夫に、いらだちを募らせる恵。渇いた心を持て余す二人は、ある日、公園で知り合う。パートナーには言えぬ想いを抱えて都会を生きる二組の夫婦が直面する、男と女の虚実とは――? インモラルで赤裸々な家族小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えりこんぐ
64
一作目は女子アナの世界、二作目は海外に住む日本人妻たち、手駒が尽きてどうする?の今作は結婚勝ち組&マウンティングがテーマかな。女たちのざわざわとした気持ちを読むのが楽しくて笑、小島さんの小説は好み? 稼ぐ妻と専業主夫、冴えない夫と仕事がしたい主婦、近所のセレブママ..果たして幸せな結婚はどれだったのでしょう? 2018/12/23
野のこ
55
小島さんの小説。最後のほうまで え!?どこが幸せな結婚なん?と思うほどにみんな 夫への 妻への不満たらたら。仕事をしている優越感、育児や家事の大変さ。狭い世界でのどろどろな関係。美紅や英多には自分のことしか考えていなくてイライラした。ただ英多は口は悪いけどだんだんとちょっと可愛く思えてきたし、最後のラジオ番組ではぐっときました。杉田家に応援! 美紅は最後まで好きになれなかった。登場人物の設定が分かりやすくイメージできたし、話のテンポも良くて読みやすかったです。2018/08/04
ロマンチッカーnao
31
事業に成功し、秘密の恋もし、育児や家のことは全部、主夫の旦那に任せ、旦那も仕事がしたいからと相談しても、それは拒否する美紅。ライターの夢を諦め、家庭に入り育児に追われる恵。共通しているのは、どっちの主婦もきついこと。あれだけ自分の不満な感情を相手にぶつけたら一緒には暮らせない。この物語の夫たちはよく我慢してるなあ。と思いながら読みました。何が幸せな結婚なのか。計算し、妥協し、体裁を繕い結婚生活を続ける。それのどこが幸せな結婚なのか。何一つ共感できない人物たち。現代の夫婦の在り方を問う作品でしたね。2018/08/26
アキ
23
さすが芸能界の表裏を知り尽している著者だからこそ、色んなプロトタイプを書けるんだわと週刊誌的な好奇心で読み進めてしまう。見た目が派手であれば嫉妬や嫉みが生まれ、ママ友たちのひそひそ話とうわさが怖い。ドロドロのダブル不倫とか芸能界を覗き見しているよう。でも最終的に収まるところに収まるのに納得してしまうのは、いい意味でも悪い意味でも世間体を気にして離婚を避ける方向に行くことが多いから。夫婦のありようと結婚について愛なんてものより打算の上での関係について考えさせられる。幸せな結婚ってタイトルのつけ方が逆説的。2018/09/05
とこっぷり
12
初小島作品。いったいどんな作風なのか楽しみに読み始めたら、読んでてつらい。育児によってかわる結婚生活。実感しているだけにつらかった・・・にしても、夫婦関係が変わり、落ち着くまでには色々あるよ、ってことを強調したかったのだろうけど。「幸せな結婚」というタイトルがまた含みを持っている分、面白かったかなぁ。2018/09/03