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内容説明
【対象:小学校高学年以上】和真は有名進学校で落ちこぼれ、中三で公立中学に転校した。小五のときに父を亡くした樹希は、母と妹と三人、生活保護を受けて暮らしている。『カフェ・居場所』で顔を合わせながら、互いが互いの環境を理解できないものとして疎ましく思うふたりだったが、「貧しさゆえに機会を奪われる」ことの不条理に、できることを模索していく。立ちはだかるのは「貧困」という壁。中学生にも、為す術はある!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
211
なんとも深いタイトルだと読後にあらためて納得。自覚無自覚は別にして誰にも『むこう岸』がある。それは、例えば『生活保護』という生きる為の制度。『肌の色』という差別。『学力や親の庇護』という子供には強烈な現実だったりする。他者と比べて得る優越感でこの社会は構築されている。『生保』と言う言葉は知ってはいるけれど、中身は何も知らない。それは私にとっての『むこう岸』だから?胸に突き刺さる。この子等が生き難い社会は誰の所為?生きる力を考えさせられつつ読了。2019/02/27
hiace9000
142
世に横たわる社会的境遇や経済的な格差。その不可視の流れの彼岸と此岸。有名進学校で挫折し公立中に転校した和真、生活保護を受けるヤングケアラー・樹希、両者の視点を交互に入替え「向こう岸」を描く。全く異なる考え方や価値観を持つ側どうしの深い溝や理解し難い隔たりに、当初は反目し合う二人。だがある「居場所」を見つけ心ふれあい、社会の不条理に立ち向かっていく。もはや児童文学の域を超えた主人公らの内面や感情描写は、読み手の心と価値観を激しく揺さぶる。向こう岸を目指して踏み出す子どもたちに、大人はハッと胸衝かれるはずだ。2025/05/17
おたま
129
有名進学校蒼洋中学校で落ちこぼれ、劣等感を持つ山之内和真。小五で父を亡くし、母がパニック障害で働くことができず、生活保護を受けている佐野樹希。この二人の中学生が社会の不条理に対して抵抗していく物語。児童文学で「生活保護」という問題を正面から取り上げ、「生活保護」を受けるがゆえの理不尽な扱いやバッシングに対していくことを描いている。児童文学がこういうことも扱えるのだ、と目を開かれる思いがした。現代の社会で不条理なことに対して闘っている人たちに勇気を与えてくれる。2019/06/28
ちょろこ
127
立ち向かう一冊。「貧困」「生活保護」をテーマに描いた作品。家族の抑圧にもがき、貧困にもがく中学生男女がお互いの苦しみを知り、現実に立ち向かう姿は涙と熱がいっぱいの良作。生活保護法について知っているか否かはもちろん、それが理解しやすいか否かでも大違いなんだな。法律について中学生なりに考えて思い巡らせていく姿は涙し、拳を握りしめ応援せずにはいられなかった。働いて。あきらめて。よりも、こんな制度、方法がありますよ。という言葉で崖っぷちの家庭やあきらめを背負った子供たちをサポートできる社会であって欲しいなと思う。2024/10/05
モルク
123
小5で父を亡くし働けない母と幼い妹との三人暮らしで生活保護を受ける中3の樹希のクラスに超有名進学校から落ちこぼれた和真が転入してくる。この二人を主人公に交互に話は進む。お金があるからといって幸せな訳ではない。まさに和真はその典型。価値観を押し付ける父、それに従う母。弱者は本人の自業自得と考え他人を見下す。家事をし妹の面倒を見る樹希を知り生活保護を学びハーフのアベルにべ勉強を教える喜びを知る。生活保護、福祉の実態がよく現れ子どもたちの成長も見られる。児童書だけど大人にも読んでほしい。2022/12/05
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