むこう岸

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むこう岸

  • 著者名:安田夏菜【著】
  • 価格 ¥1,265(本体¥1,150)
  • 講談社(2018/12発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784065139080

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内容説明

【対象:小学校高学年以上】和真は有名進学校で落ちこぼれ、中三で公立中学に転校した。小五のときに父を亡くした樹希は、母と妹と三人、生活保護を受けて暮らしている。『カフェ・居場所』で顔を合わせながら、互いが互いの環境を理解できないものとして疎ましく思うふたりだったが、「貧しさゆえに機会を奪われる」ことの不条理に、できることを模索していく。立ちはだかるのは「貧困」という壁。中学生にも、為す術はある!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

204
なんとも深いタイトルだと読後にあらためて納得。自覚無自覚は別にして誰にも『むこう岸』がある。それは、例えば『生活保護』という生きる為の制度。『肌の色』という差別。『学力や親の庇護』という子供には強烈な現実だったりする。他者と比べて得る優越感でこの社会は構築されている。『生保』と言う言葉は知ってはいるけれど、中身は何も知らない。それは私にとっての『むこう岸』だから?胸に突き刺さる。この子等が生き難い社会は誰の所為?生きる力を考えさせられつつ読了。2019/02/27

モルク

117
小5で父を亡くし働けない母と幼い妹との三人暮らしで生活保護を受ける中3の樹希のクラスに超有名進学校から落ちこぼれた和真が転入してくる。この二人を主人公に交互に話は進む。お金があるからといって幸せな訳ではない。まさに和真はその典型。価値観を押し付ける父、それに従う母。弱者は本人の自業自得と考え他人を見下す。家事をし妹の面倒を見る樹希を知り生活保護を学びハーフのアベルにべ勉強を教える喜びを知る。生活保護、福祉の実態がよく現れ子どもたちの成長も見られる。児童書だけど大人にも読んでほしい。2022/12/05

しいたけ

117
シンプルに言えば「ボーイ・ミーツ・ガール」なのだ。ただ読み終えている身としては、医者である父が歪にしてしまっている家庭で押しつぶされている少年と、生活保護世帯で妹と精神を病んだ母の世話をしている少女との肉付けや、その他の登場人物諸々のせいで、多種多様な感動をこうむった。貧困は努力が足りなかったせいではない。親世代が持つ間違った偏見や卑屈を跳ね返してこそ、子どもらは大きくなれる。そこには必ず出会いが存在する。向こう岸と思っていた場所に自分の居場所を見つける。なんて素敵な出会いだろう。2020/02/28

ムーミン

106
「嘆いても責めても、人って決して変わらないんだよね。返す言葉もなくて、ただうずくまってしまう。変われるとしたら、誰かと上手に関わりを持てたときだけ」自分にとって出会うべくして出会えた一冊のような気がします。「子どもの貧困」という言葉が誰かにとって都合のいいように使われている今の世の中。今の自分の立場で考えるべきこと、やるべきこと、できること。大事にしたい一冊です。2019/01/27

ゆみねこ

104
有名進学校からドロップアウトして公立中学校に転校した山之内和真は、父を亡くし病気の母と幼い妹と生活保護を受けて暮らす少女・佐野樹希と知り合う。貧しさゆえに機会を奪われることの不条理に、中三の少年少女がいかにして立ち向かうのか。「生活保護」について、とても分かりやすく書かれた1冊。中学生以上の皆さんにお薦めです。安田夏菜さん、初読み。2019/01/05

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