内容説明
外務省情報調査局の初代局長として日本の国際情勢分析を担った著者がソ連崩壊の年に世に問うた警世の書。ウェストファリア条約を境とする十七世紀の経済大国オランダの興亡から冷戦後日本の針路を問う。歴史と国策とが交錯する、格好の名著。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Galilei
5
オランダ(ホラント)の国名ネーデルランドとは低い土地という意味で、中世まで農業に恵まれず漁業と海運業を糧とし、富には程遠かった。スペイン統治の圧政が始まると、プロテスタントへと大きく傾き、マウリッツ総督がスペインに勝利して、17世紀には瞬く間に一流の自由経済の海洋国家となった。ヴェネチアを模した交易は大型船で外洋とアジアへ進出し、何より商売第一で、儲かると文化は自ずと着いてきた。作者は長年の外交官としてグローバルな視点で、国家の急成長と、私利私欲と慢心が18世紀に国を滅ぼした過程を、備に著している。2020/09/22
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