内容説明
1917年、十月革命。「認めるか、認めないか、そんな問題は私には存在しなかった。私の革命である」。24歳の詩人は、成就したばかりの革命のために「必要なことは何でもやる」意気込みで仕事にかかり、やがて三幕の戯曲を書き上げる。ユリウス暦の翌18年10月25日、演出家メイエルホリドと美術家マレーヴィチが革命一周年を記念して、この戯曲を舞台にかける……。翻訳家・小笠原豊樹の遺稿となった新訳版。谷川俊太郎序文。日本翻訳家協会特別賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Y2K☮
37
戯曲或いは詩劇。過去の作品に比べると映像が浮かび易い。舞台は全宇宙、方舟、地獄。独裁でも共和制でも支配者は己が腹いっぱい食えれば満足。清潔な顔した連中は自分達だけじゃ何もできないのに、彼らの優雅な生活を支えるプロレタリアートの現実は地獄よりも地獄。マヤコフスキーの言葉は常に怒りが滾っている。谷川氏も序文で触れているが、日本の詩人は静かにモノローグを紡ぐタイプが多い。聞き手を想定して叫ぶダイアローグ系は舞台演劇に吸収されたのか。唐組の紅テントを毎年観てるが、確かに口と全身を用いた前衛的な詩の朗読に近いかも。2015/08/01
Y2K☮
29
今月のポエムというか戯曲。マヤコフスキーの考える理想の世界。そこへ至るまでのステップ。現代に生きる我々には幻想と思えるが、そんなのは後出しジャンケン。独裁も民主主義も結局は支配者の数が違うだけと云われたら返す言葉もない。権力は暴走する。民衆が力を持てば民衆も。しかも正義の名の下に。その辺に関する著者の考えを知りたかった。第一幕は「宇宙戦士バルディオス」の最終回を連想させる。かの有名な打ち切りによる「洪水で世界滅亡エンド」だ。昔のアニメは文学の上辺ではなく魂と骨髄をオマージュしていたから、或いは元ネタかも。2018/04/03
マリリン
23
詩なのか戯曲なのか。その世界は広大だ。全宇宙、方舟、地獄・天国・約束の地と...。表題は、確かな道ー革命の道という。激しくも明るく勢いがあり、力強い生命力も感じる。最初に書かれた谷川俊太郎の「言葉の速度」がまた良い。引用された萩原朔太郎の詩も...。2018/11/11
cockroach's garten
5
後で書きます。2017/08/29
えっ
2
革命と仕事と旅の中でマヤコフスキーが体験したエネルギーが随所で爆発している。ユーモラスな対話や擬人化比喩も楽しい。地獄と天国の場は「これについて」と通じる面白さがあると感じた。不潔な人々の台詞回しなど小笠原豊樹さんの訳も良い。2023/01/27
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