内容説明
「生命誌」という新しい分野の先頭を走り続ける科学者であり、映画や舞台の制作・出演など幅広い活動を続ける中村桂子という人間はいかにして生まれたのか? その来し方と素顔の日常。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねお
13
「いま本当に大事なことは何かを考えていっしょうけんめいにやる、それだけです。小さなことが大きなことのなかで意味があるかどうかは考えています。単に自分がやりたいからやっているのではなく、皆が暮らしやすい社会になるといいなあ、それにはこの方がいいんじゃないかと考えてベストを尽くす。そうしているうちに、毎日が過ぎていく。」すごく素敵な生き方。感覚的なものは人それぞれだけど、科学によってわかることは皆共有できる事実として共有財産になる。宗教と科学も共存できるるという考えや、進歩に向けた科学ではなく、人間(生き物)2024/01/02
Takao
2
2018年11月9日発行(初版)。生命科学に興味がなかったわけではないが、著者のことは全く知らなかった。東大理学部化学科出身の「生命誌」研究者。1993年、発生生物学者の岡田説人とともに、生命現象と生命体を総合的に捉え、生きものを「歴史と関係」と「多様性と普遍性」の観点から理解する「生命誌」研究を目的としたJT生命誌研究館を設立。本書はインタビューで構成されているが、「リケジョ」の先駆者の著者の歩みを知ることができた。一番印象に残ったのは、「有性生殖」が始まってから生物には「個性」が生まれたということ。2019/12/09
niki
1
1936年生まれ、東大卒の生命誌研究者ということで堅い女性をイメージしていたが、本書全体にほんわかとした雰囲気が溢れ、言葉にとても共鳴できる。簡単な言葉で核を突く。だけれど優しくて穏やか。「二十一世紀の技術は「人間という自然」を「完全に自然離れしましょうよ」という方向へ持っていきかけているように思えるんです・・・だからそろそろ「このタイプの進歩はほんとうのこのままやっていっていいんですか」ということをひとりひとりが考えないと危ないと私は思います」私も普段から感じており、ノートにこの言葉を書き残しておいた。2022/09/14
mitarashidan5
0
よく見ればなずな花咲く垣根かな 生と死ではなくて姓と死 技術開発で人間が壊れていく? ひと、ものの「あいだ」にあるこころ2025/01/26
のせち
0
科学や技術に対する考え方・姿勢を見習いたい。2024/02/11