内容説明
女には女の戦い方がある！
結婚が政略であり、嫁入りが人質と同じだった戦国時代。各々の方法で城を守ろうとした４人の女城主がいた。
美濃国・岩村城を守る信長の叔母珠子。能登国・七尾城で息子・畠山義孝とともに上杉と戦う佐代。筑後国・柳川城で夫・立花宗茂の留守を預かるぎん千代（ぎん：門構えに言）。そして、今川と武田という強敵に囲まれた遠江の井伊谷城の城主であり、2017年NHK大河ドラマのヒロインとなった井伊直虎。時代に翻弄された女たちの運命を描く歴史中編集。
解説・島内景二
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫陽花
33
美濃岩村城・珠子(織田信長の叔母)の「霧の城」、能登七尾城・佐代の「満月の城」、遠江井伊谷・井伊直虎の「湖上の城」、筑後柳川・誾千代の「希望の城」の4つの短編小説。いずれも時代に翻弄される女性を女性目線で描いています。史実としてはこれ以降悲劇が待ち受けていることもあり、その直前で話が終わってしまうのはモヤモヤ感が残りますが、切り口が新鮮でよかったです。2021/10/24
ひなきち
25
戦国時代を、逞しく生き抜いた女性たちの伝記。「霧の城(信長叔母、珠子)」「満月の城(畠山佐代・東伯)」「湖上の城(井伊直虎)」「希望の城(立花ぎんちよ)」。戦国武将たちの陰で、女たちも覚悟を決めて戦ってきた！今までの歴史では埋もれがちなその事実を、今回知ることができて良かった。読みやすい歴史小説だったので、派生してまた色々読みたくなった。2019/01/17
TheWho
19
戦国期に、はからずも城を守らなければならなかった4人の女性達の女戦国絵巻。織田信長の叔母で、岩村城の実質上の城主でありながら信長に磔刑になった珠子、能登の七尾城の佐代、大河ﾄﾞﾗﾏの主人公であった井伊直虎、そして山本兼一著「ましてん誾千代」の主人公の立花誾千代ら4人の女性達の数奇な運命を辿った物語であった。特に能登七尾城の佐代は、戦国期に翻弄されたいた女性が行きつく所で、女の意気込みに感銘を受けた。時代が変われども日本の女の強さを感じた一冊です。2022/01/29
時代
16
戦の世に生きた四人の女性の短編四話。彼女らは決して覇権を争い天下を目指した訳ではなく、家を守り抜く事、住みよい世が来る事を思い、気高く振る舞った。流石安倍龍太郎だけあって、短編ながらも文章上手く読みやすい。ほどよく○2018/12/13
Book Lover Mr.Garakuta
10
戦国の世を生きた四人の女性に焦点を当て、安部龍太郎の解りやすい確りとした文章で、綴られている。争いを好まない女性たちのことが辛辣に描かれている。2018/12/31
