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内容説明
三島由紀夫の自死には、戦時期から戦後に至る昭和天皇の言動に対する〈諫死〉の意味が込められていた。三島の戦後25年の言動を読み解き、戦後体制の欺瞞の構造を抉る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
59
三島由紀夫の生前の言動と作品を素材とした天皇論。もう少しで冬休みに入るので三島作品を読み返したい。「近代能楽集」はそんな読み方ができたのか……というくらい内容を忘れている。2018/12/19
とくけんちょ
52
三島由紀夫とは。その人物像は、それを思い起こそうとする人の数だけある。本書はその一つに過ぎない。よって、是非を語るだけ徒労である。明らかなのは、残された作品に残された言葉だけである。思想のバランス、行動とのバランス、自身の価値判断の一助にしたい。2020/04/26
風に吹かれて
20
「このまま行ったら「日本」はなくなってしまうのではないか……その代わりに、無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない、或る経済的大国が極東の一角に残るのであろう。それでもいいと思っている人たちと、私は口をきく気にもなれなくなっているのである。」これは対米従属との引き換えに得た象徴天皇制を利用すると共に支持者への利益誘導政策を続ける現政権に対する批判の文ではなく、1970年(昭和45年)に三島由紀夫が書いた『果たし得ていない約束』という一文の部分である。➡2019/11/22
あっきー
14
✴4 「それでこそ赤の人じゃ」と吠えてやりたい程、著者の80才にもなってのこのトンガった生きざまは見習わねばならない、一億総忖度GWにイラっときている少数派にはとても刺激的な本だ、特にマッカーサー=征夷大将軍でありGHQが江戸の次の幕府かと思わせる敗戦後の情勢の分析が特に面白かった、豊穣の海を読んだ後だったのでより理解が深まった2019/04/20
犬養三千代
10
三島の決起は裕仁天皇への痛烈なメッセージ。アメリカの膝下に下った醜い天皇。特攻隊を裏切った天皇。 文学の原動力が裕仁天皇への嫌悪感とは!そして明仁天皇と三島の思いは天皇制の内部をのみ考えていたとのこと。改憲安倍総理と護憲明仁天皇の捻れ、徳仁天皇はどの道を行くのだろう。 小学生だった11月25日。「青の時代」「金閣寺」を読んだすぐあとの出来事。なにを思ったのか思い出せない。その後も全集を揃えて読んだのは高校生のとき。三島の本を読み返したい。2019/08/10
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