内容説明
まるで現代の〈企業〉のように、戦国の〈家〉は生き馬の目を抜くがごとく……。織田家の軍団長(レガトゥス・レギオニス)で、最後に生き残るのは誰だ?
尾張国守護代の重臣で、富と力を蓄え織田弾正忠家の名を高めた織田信秀の番頭格・柴田権六勝家は、困惑していた。信秀の後継者である信長が、型破りな男だからだ。このままでは、先代がせっかく大きくした〈家〉を守ることはできない――。
武将たちの友情と裏切り、打算と駆け引きを描き、働く者は共感必至の戦国絵巻、ここに開幕。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おかむー
54
織田信長の筆頭家老にまで上り詰めながら信長の後継争いおいて羽柴(豊臣)秀吉に敗れ最後には攻め滅ぼされた柴田勝家を主人公にした珍しい切り口の歴史小説。『もっとがんばりましょう』。俺の持つ柴田勝家のイメージは「古いタイプの身内への情に厚い豪快な武将」で、そうした勝家が迷いはあってもときに豪快に戦国の世を切り開く展開を期待したものの、この作品においては「慎重な常識人の中間管理職」として描かれているので、たいへん地味にもの思いに終始する場面ばかりで物語としてまるで面白味がないのでエンタメとしては落第点でしょう。2019/03/30
サケ太
18
柴田勝家、名だけは知られているこの武将の視点から織田家の興亡を描くシリーズ開幕。まず珍しい。生まれながらの強者として、家柄は低いものの重用されてきた権六。型破りの織田信長や母の期待にこたえようとする礼儀正しい信勝。強さと魅力を兼ね備えながらも、己のやり方に疑問を抱き続ける男。迷い、それでも前に進まねばならない。後の織田家重臣らとの会話も今後を暗示していて面白い。2018/11/01
onasu
16
織田信長の父信秀が尾張下四郡で力を蓄えていった折、三河との境近くの小土豪柴田権六勝家は、その戦いぶりから三男信勝の傅役のひとりに抜擢され、信長の戦いを目の当たりにしていく。 この期の権六に焦点を当てた作品は初めてだが、これまで読んできた勇猛果敢な親分肌というのとは些か違って、一度は叛旗を翻すも信長という得体の知れない当主の許、尾張の安寧という最終目標に沿うよう臨機に行動していく。 そのために異変も生じさせてしまうが、悩みながらも領地(人)を思って行動する、ここの若き日の権六は魅力的で続編が待ち遠しい。2018/12/04
yamakujira
4
信秀が他界して、信勝に従うも信長に敗れ、信勝が謀殺されて信長に許されながら、桶狭間の戦いには招集されず傍観しておしまいと、柴田勝家を主人公にして信長が継いだ織田家の内紛をえがく。秀吉や一益、光秀など後の軍団長が若者として登場、年長者は林秀貞くらいで、勝家もアラサーだから、これから信長に仕える未来はきっと消耗したのだろうな。勝家の見せ場は稲生の戦いくらいしかないから、武将が主人公にしては平板な展開に感じてしまう。交流のあった林美作守や佐久間盛重の討死をもっとクローズアップしてほしかったな。 (★★★☆☆)2020/07/29
史
3
仰々しい作品名とどこか自己啓発染みたあらすじ。どちらもなんかこうドーンと来てガシャーンと崩れるようなアクション多めの戦記物語だとにおわせておりますが、内容はどちらかといえばスローテンポで時代の変化についていくのかどうかという感じの物語。正反対とは言わないけれども誇張ですよ。タイトルはともかくあらすじは内容に沿って書いて頂きたい。その内容は柴田勝家から見た織田家ないし織田信長の物語。どちらかといえば旧体制前世代的な立場にいる勝家が加速する信長世代にどうついていくのか。濃姫から桶狭間までの話。悪くない。2025/12/28
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