内容説明
「狂っているのはどっちだ」と兎が突き付けてくる。我々の取り繕った世界を、皮を、作者は次々と引っ剥がす。人間の暗部を見せてくれる。――こだまさん(作家)絶賛!!(『夫のちんぽが入らない』『ここは、おしまいの地』)/▼七年余り雌兎だった記憶を持ち、雄との交尾に開け暮れた一生を送った女。現世でも常に交尾を欲し、数々の奇行に走る。そして前世でつがいだった男と再会するが、その先で遭遇した恐ろしい出来事とは――(前世は兎)。▼36歳、教員で休職中の独身女が日々「ヌッセン総合カタログ」を詳細に書き写す訳は、「スティレス」を解消する為だった。同僚が次々と部屋を訪れ、職場復帰を促すのだが――(宗教)。▼破滅を迎えた世界で、国のマラソン競技に選抜された姉。労働力として認められないものへの唯一の栄誉だが、自殺や逃亡は許されない。選手村への出発を翌日に向かえた夜、姉がとった行動とは……(ランナー)。ほか、全七話。現実感覚を揺さぶる怪作集!
目次
前世は兎
夢をクウバク
宗教
沼
梅核
真空土練機
ランナー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
90
☆5.0 う~ん、この作家、危ない。かなり異常。まあ、人のこと言えないけれど。2021/06/23
里季
56
なんだか狐につままれたような気になる本だった。奇妙な世界に引きずり込まれたような。。。ちょっと頭が疲れてきて後半は斜め流し読みになってしまった。2019/01/30
クリママ
39
7編の短編。表題作「前世は兎」兎とは何と過激な生き物なのだろう。言葉はわかると思う。でも、何を言っているのかわからない。ぞわぞわする感じで、着地点を得られない。「真空土練機」腰痛と群像劇。「ランナー」怖ろしいパラレルワールドと姉弟の愛。この後半2編は少しわかる気もする。全編を通して、心情も、性的なことも、解剖の所見(読んだことはないが)を思わせる的確で言葉で描かれ、それがあまりにもリアルであるため、笑ってしまうところさえある。掴めないながらも、言い表せない魅力。2019/02/01
Tαkαo Sαito
34
すごかった。。。なんだろうこの短編集を読み終えたあとの放心状態のような感じ。全部の話がエッジがきいてて、目を背けたくなるようなでも読まずにはいられない惹きつける力。村田沙耶香さんの作品を読んでるときのような思考が定まらず、浮遊した感覚で読むのを止められない感じ。表題作の前世は兎、宗教、沼、真空土練機、ランナー が個人的に好き。最後のランナーは、吉村萬壱さんのメッセージが強く込められてるような重たい作品。あえてコミカルに書かないようにしてるようにも見える。たまにペラペラとページをめくりたくなるような短編集。2022/01/02
★YUKA★
34
この、読んでいて頭がおかしくなりそうな(褒め言葉)世界観、クセになります!「ヌッセン総合カタログ」が本当に笑えました。2018/11/28
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