タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

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タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

  • ISBN:9784622087571
  • NDC分類:484.7

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内容説明

進化は「心を少なくとも二度、つくった」。生物学と哲学をブレンドしながら、頭足類の心身問題や進化を通じて心や意識の本性を探る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

150
著者は科学哲学者で練達のダイバー。豪州東海岸で見つけたタコの棲息地、名付けて”オクトポリス”での長期の観察からタコの”心”を推し量る。哺乳類と頭足類の共通祖先はカンブリア紀以前、エディアカラ紀まで遡る。それぞれ独立に神経系を発達させ、タコも知性?を持つに至った。ヒトの神経系は脳一極集中、中央集権だが、タコは地方分権、脳(何と中を食道が貫いているそう)の他、8本の腕にも神経系が分散。脳の指示を待たずに自主的に動く。この発達した神経系に主観的経験が生じ、自己を認識、「意識」へと繋がる。このタコ!などと侮れぬ。2020/07/15

nobi

104
やや刺激的、でも絶妙な邦題に比べると原題“OTHER MINDS”は一見素っ気ない。ただotherにも複数形mindsにも深い意味が込められていた。海中のタコやコウイカとの接触、観察による実感と驚きと親しみをベースにしながら直近までの進化生物学の成果や意識に関する哲学も交えてしなやかに論を展開。趣味的に見えたテーマは知性、コミュニケーションといった概念の再考を迫る。友好的敵対的以外にも無関心派のイカとの遭遇、煌めく色による意志?伝達、個体間でなく個体内での情報交換に“内なる声“なんて表現等々。実に刺激的。2019/01/14

NAO

97
新聞の書評が気になって読んでみた。脊椎動物とは異なる神経系を持つ頭足類のタコの、想像以上の賢さに驚かされる。ちょっと難しい専門的な説明もあるが、読みやすく、最後まで楽しく読める。生物学者のような調査をしている著者が思考の進化について考察している哲学者だということに、びっくり。2019/09/28

やいっち

93
本書を読了した。タコ。食べるのも好き。ワカメのタコやキュウリの酢の物を今日も食べたばかり。だけど、タコに犬並みの心があると知ると、これからはちょっと躊躇われる……けど、食べますね。  葛飾北斎の版画でも有名だ:『蛸と海女』 2019/03/29

R

87
タコを知ることで、意識や心といった哲学めいたものに思いをはせる本。非常に面白い、凄く楽しい本だった。タコと人間が分かれたとき、それは何をもってだったのか、タコの賢さというのをどう計るべきか、それは人間が勝手に感じているだけで、そもそも感じるという主体が、その方法を同じにしているとは限らないであろうとか、もう、本当に楽しい。言葉遊びではなく、コミュニケーションの原点や、生物のありよう、そこから紡がれる心という概念への思索がすこぶるよい。良著。2020/09/08

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