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内容説明
なぜ、日本人は、「公のため」に尽くすのか。「祖先や先人たち」を篤く敬うのか。悠久の日本思想を総覧し、日本人の「精神の核心」を解き明かす――。なぜ日本人は「公」のために尽くすのか。その背景には「『公』という他者のために命を捨てることができる人は神である」という覚悟がある。日本人は長い歴史のなかで着実に国家意識を養い高めてきた。とりわけ江戸時代に熟成した「公の再発見」こそが、維新の原動力となり、靖國の思想へと結実してゆく。聖徳太子、国風文化、御成敗式目、伴天連追放令、徳川家康、鈴木正三、山鹿素行、伊藤仁斎、荻生徂徠、新井白石、契沖、本居宣長、会沢正志斎、岡倉天心、柳田國男……。かくも素晴らしき日本思想史を丹念に振り返り、日本人の「精神の核心」に迫る刮目の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
軍縮地球市民shinshin
12
本作と対をなすのが平成29年に刊行された『和辻哲郎と昭和の悲劇』。本書は靖国神社のように国家に殉じた人たちをなぜ国家が祭祀するのか、国家に殉じるとは思想史的にはどのように説明できるのか、を日本思想史の文脈で検討したもの。元々は学術書として出版を考えていたらしいので、内容は結構高度だ。一般の日本人が「国家」を形成するようになったのは著者は江戸時代だと捉えており、武家諸法度をはじめとする江戸初期の法度により、日本は国家としての体裁を初めて整えた、とする。そして江戸後期のロシアとアメリカの外圧により国家が為政者2021/01/20