内容説明
徳川秀忠とお江の娘として生まれたお千は、徳川家と豊臣家との絆となるべく、わずか七歳で大坂城に嫁ぐ。夫・秀頼や姑・お茶々との幸せな日々。しかし、それも徳川と豊臣の間に戦が起こることで終わりを告げた。夫と共に死ぬか、それとも……。大坂の陣後、ひとり生き残ったお千だったが、つらい運命が次々と襲いかかる。「火傷を負った坂崎直盛を嫌い、わがままを押し通して若くて美男の本多忠刻に嫁いだ」「春日局の片棒を担いで、影で大奥を牛耳った」「竹橋の屋敷に男を誘い込んでは弄んで殺した」など、いわれなき悪評を立てられるお千。しかし、そうした悪名を背負いながらも、お市、お茶々と受け継がれてきた「女にできる七つのこと」を心に刻み、ひたむきに生きていく。戦国の悲劇のヒロイン・千姫の、波瀾万丈の生涯を描いた長編力作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪月花
40
植松三十里さんの著書は初読み。タイトルの通り、千姫、そして千姫を取り巻く女性たちの視点から語られる戦国時代末期。徳川秀忠とお江の娘、千姫が豊臣秀頼に嫁ぐところから物語は始まる。7歳で人質のような形で嫁入りした千姫は秀頼と仲睦まじく、大坂冬の陣、夏の陣を経て最後に千姫を逃がす秀頼との別れのシーンは切なかった。家康がかなりの策略家として描かれ、秀頼と茶々が悪者にされたことに納得いかず二人の汚名を晴らしたかった千姫が、運命に翻弄されながらもひとりの女性として必死に生き抜いたその生涯に胸が熱くなった。2021/02/06
roomy
20
家族・夫婦・姉妹 単純に仲良くすることは難しいのでしょうか。物質的に豊かな暮らしをしていても心は満たされず落ち着かない。なんだかとても悲しくなりました。今の世は本当に自由で恵まれた環境だと思う。2013/03/04
AKI
16
歴史小説の中の茶々=淀殿は大抵ヒステリーの意地悪な悪女として描かれていて、でもそれって勝者である徳川側から見た、徳川側にとってはそうでなければ都合が悪いからじゃないのかと思っていたので、この作品での茶々はそうではない優しい人柄で描かれているので読んでみた。ちょっと人物像に深みがなかったけれど、通説とは違った茶々の姿や秀頼と千姫の夫婦像を読む事が出来たのは嬉しかった。その代わりに秀忠とお江が悪者になっていたけれど(笑)2019/02/01
マサキ@灯れ松明の火
15
千姫…母「お江」の影となり、語られることの少ない姫…豊臣家の滅亡から、生き残り…その遺児を守り、母から疎まれる弟「竹千代(家光)」を温かく見守りながらも…世の中からは「悪女」とされてしまった。戦は…女性達を否応なく「悲しき存在」とした…平和な世になった今、深く考えさせられる話でした。2011/08/02
雨音⋆̩☂︎*̣̩
8
戦国の時代の女性たちの苦労がこの本1冊で分かるいい本!!歴史好きな人はぜひ読んで欲しい!2021/06/16
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