角川文庫<br> アノニマス・コール

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角川文庫
アノニマス・コール

  • 著者名:薬丸岳【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • KADOKAWA(2018/11発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041068922

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内容説明

3年前の事件が原因で警察を辞めた朝倉真志は、妻の奈緒美と離婚、娘の梓と別居し、自暴自棄な生活を送っていた。そんなある日、真志の携帯に無言電話がかかってくる。胸騒ぎがして真志が奈緒美に連絡すると、梓の行方がわからなくなっていた。やがて、娘の誘拐を告げる匿名の電話が奈緒美のもとにかかってきて、真志は過去の事件へと引き戻されていく。一方、真志を信じられない奈緒美は、娘を救うため独自に真相を探り始め――。誘拐犯の正体は? 過去の事件に隠された真実とは? 予想を裏切る展開の連続と、胸を熱くする感涙の結末。社会派ミステリの旗手による超弩級エンタテインメント! 作家生活10周年記念作品。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nobby

153
読了しての第一声は「薬丸さんだなぁ…」娘を誘拐された元警察官が頑なに貫く想いは「警察を信じるな!」用意周到あるいは場当たり的、どちらともいえない指示に振り回される中、ついに明かされた犯人の要求は八方塞がりで苦しむばかり…『アノニマス・コール(匿名の電話)』による奔走ぶりを夢中で追いながら、針の糸を通すが如く掘り出される過去の事件が何と巨悪で浅はかなのか…悪巧・隠匿・保身など身勝手の裏返しからの行動が導く悲劇に憤りを覚えるが、その根底となる心情には信愛・家族・使命といった熱意がこめられているのがやるせない…2019/02/15

ナルピーチ

128
3年前のある事件が切っ掛けで退職に追い込まれた元刑事の“朝倉真志”を主人公として、誘拐された娘を救出する為に奔走する姿を描いた“誘拐ミステリ”。一本のアノニマス・コール(匿名の電話)から始まった物語。誘拐犯とのスリリングな駆引きや、警察組織によって隠蔽された過去の事件。さらには大物政治家も絡んできてと、巧妙に構成された物語は息つく暇もないくらいの怒涛の展開の連続で読み手の心を離させない旨さが際立つ小説。薬丸先生といえば社会派小説のイメージが強かっただけに意外性のある内容ではあったがとても面白かった。2024/04/07

小説を最初に書いた人にありがとう

124
理由あって警察を辞めて離婚して家族と離れて自暴自棄な生活を送る主人公のもとに娘からの助けてという電話から始まる。そこからは薬丸岳作品得意の追って追われのハラハラ、ヒリヒリのストーリー。誰が味方で誰が敵かわからないまま物語が進んで楽しめた。今回は薬丸作品特有の少年犯罪をテーマにしたものでは無かったがこれはこれで面白い。2019/03/21

hit4papa

116
娘を誘拐された元刑事が主役のサスペンスです。正体不明の犯人による理不尽な要求に、四苦八苦する主人公。四面楚歌となりながら独力で奪還を試みるうちに、警察を離れ家族とも別れる原因となった過去の事件との接点に気づく…という展開です。サプライズはあるものの、結末は予想ができるでしょう。スピード感や、主人公の満身創痍のハードボイルド感は、良いですね。ただ、登場人物が無駄遣いされているようで、気になってしまいました。薬丸岳節が鳴りを潜めて、何処かで目にしたことがあるようなプロットとなっているのは期待外れです。2021/11/28

アッシュ姉

103
娘を誘拐され、苦い過去に引き戻された元警察官の主人公。古巣である警察は信用できない。元妻を説き伏せ、独自に犯人を突き止めるべく奔走する。追走劇に逃走劇まで加わり、サスペンスフルな展開で加速していく。誘拐犯の目的、葬られた事件の真相、終盤は怒涛の種明かしで最後まで気が抜けない。あなたが?!あなたも?!あんたもかーいとたまげたけど、求めていたものとちょっと違う。元妻の最後の一言にほろりとしつつ、現実的にはどうかなと腹黒く思ってしまった。薬丸さんにしてはライトな読み心地でエンタメ強め。次作は重量級を熱望。2020/03/30

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