内容説明
イラストレーターの有村文子(39)は、終末期の在宅医療専門医である姉・美香子(44)から母の仁子(69)が乳がんを患っていることを知らされる。自由奔放な仁子は、スピリチュアルに傾倒し、標準治療を「つまらないから」とやめ、すごい乳酸菌と拝み屋の力で乗り切ろうとするが……母らしく“死”を迎えられるよう、仁子の子供たちとそのまわりの人々が奮闘する姿を描く、リアルな“家族の看取り”の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
野のこ
87
初読み作家さん。余命わずかとなった母であり妻である仁子が最後のときが訪れるまでの物語、スピリチュアルへの浪費癖や病院嫌いと問題も多いが、天性の明るさが魅力的な人。仁子に振り回されながらも家族みんなで「その日」までの時間見守る。美香子さんの患者さんのご家族への言葉が心に響きました。改めてタイトルや装丁、文子の描いた有村家を見て余韻に。。「真弓のよく知っている、有村家の風景だった」に涙が出そうになりました。最後の昭夫のかけ声はよく言った!!とグッときた。良かったです。尾崎さん他にも読みたいです2019/06/04
taiko
52
有村家の母仁子さんが余命宣告を受けた。自由奔放で頑固な仁子は、自分の信じる方法で最後の時間を過ごすことを望んだ。 夫照夫、長男優、長女美香子、二女文子、嫁の真弓、それぞれの目線で見る仁子の終末期。…自分勝手で奔放な仁子に振り回された家族ではあっても、深い愛情で皆仁子の最期を見届けていました。自分の親だったら大変かもしれないけれど、よそから見るととてもチャーミングな仁子さん。そんな彼女だったから、亡くなった後の各人の思いに涙が止まりませんでした。医者である美香子の、亡くなる人は本人の意思でその時を→続く2019/04/21
sayuri
51
初読みの作家さん。がんを患った主婦、69歳の有村仁子と仁子を支える周りの家族達が「その日」を迎えるまでの物語。自由奔放でスピリチュアルに傾倒する仁子は標準治療を「つまらないから」とやめてしまう。家族は、彼女らしく最後のときを過ごせるよう奮闘するが。仁子は中々強烈なキャラクターではあるけれど、死が身近に迫った家族を持つ夫や子供達の心情はとてもリアルに描かれていた。自分中心になりやすい夫、息子、嫁、二人の娘達、それぞれの揺れ動く心理描写が丁寧で多々共感出来た。そして読みながら自分の最後の時に想いを馳せた作品。2018/12/26
信兵衛
30
家族が末期がん。どう向き合えば良いのか、どう対処すればいいのか。それは本人の考え方次第もありますし、遺される家族の思いも当然あるでしょうね。2019/01/06
アーモンド
24
初読みの作家さん。奔放で自由な69歳の末期がんの母を看取る話。振り回されながらも、夫や息子、娘、嫁、孫たちがそれぞれの立場で思いやり、見守る。一人の人間が死に向かう様子が淡々と書かれているのが、かえって現実的だった。怪しげな健康食品や祈祷に傾倒し浪費する母親だが、途中で治療を中止し、死を受け入れていると受け取れるような言動は潔かった。 2019/04/12
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