内容説明
南シナ海に平然と人工島を作り、沖縄の領有権を主張する--。
常識からかけ離れた中国の不可解な行動だが、
2000年の歴史をひもとけば無理なく説明できてしまう。
反日、腐敗、権力闘争から民族問題、地下経済まで、
隣国の奥底に潜む独自の論理を、歴史家の視点で解明する。
筆者は、サントリー学芸賞、アジア太平洋賞、大平正芳記念賞などを
総なめにしている近代中国史研究の第一人者。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
39
著者は中国近代史の大家。少なくとも我々日本人が普通では考えられない中国の言動を、その歴史から読み解く。・・というのだが、なかなか読み解けない。当然、中心に来るの華夷思想。元来、国境なんて概念がなく、”周囲の夷狄どもは朝貢して臣下の礼さえとれば、あとは勝手に”と鷹揚に構えてきたところに、突然、国民国家の概念を持ち込まれ、もがいてる間に半植民地状態に。西洋(と日本)に対する屈辱を大国に立ち返った今晴らすのだというのは中国人の琴線に触れるであろう。病歴(歴史)から診断はつくが処方箋は無理というところのよう。2018/11/14
もりやまたけよし
21
雑誌の論文を集めて、時代や経済、政治体制などで括った本のようです。不可解さが解決する事はないように思います。2018/11/08
ピオリーヌ
9
五年ぶりの再読。2018年の刊。日中関係の歴史はほぼ「政冷経熱」で、それこそ日中関係のDNAと呼ぶに相応しい。そのDNAの具体的な内容とは上に立つ君主・官僚と下々に暮らす庶民がかけ離れており、下部構造・民間の経済と上部構造・権力の政治とが一致しない中国の政治社会構成にある。などなど示唆に富む指摘が多数。後半の特別講義―「失敗の研究」としての日清戦争―は日清戦争の概説として皆に薦められる内容だと感じる次第。2025/06/23
ピオリーヌ
7
ビジネスシリーズの一冊、かつ雑誌の記事の妙録集だけあり、読みやすい。近代の中国史、また日清関係史を専門とする東洋史学者である著者の専門の時代について丁寧に書かれ、岡本隆司入門に最適の一冊ではないだろうか。2020/01/09
Hatann
7
国家概念、腐敗格差、少数民族などの問題について中国における歴史的な位置づけを素描して西洋的な概念との相違を示す。過去に雑誌等で発表したネタを編集して1冊の新書にまとめていて、考えるきっかけとして手頃なのではないか。明治維新後に急激に西洋化した日本では西洋的なものを当為的に捉えすぎであり、二大政党制の幻想も壊れるなか、ひとたびは近代国家や民主主義の概念ですら相対化したうえで再検証することが求められている。東アジアの地域論を超えて、日本そのものの在り方を再考するにしても中国的なものはヒントになると思われる。 2018/11/06
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