内容説明
1964年にデュシャン宅で行われた伝説のインタビュー、その全貌が初めて公に。終始リラックスした雰囲気で交わされる3つの対話篇は、彼の生き方のまったき新しさを明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
20
今年がマルセル・デュシャン没後50年と言うことで、東京国立博物館にて10月2日から12月9日まで「マルセル・デュシャンと日本美術」が開催されてます。デュシャンのインタビューは過去にみすず書房(未読)とちくま学芸文庫(既読)から出てまして、今回河出書房新社から、新たなラインナップが加わりました。インタビュアーは新聞ライター出身のカルヴィン・トムキンズあの『優雅な生活が最高の復讐である』の作者です。私見ではデュシャンというと「泉」ばかり取り上げられますが、私はなんと言っても「大ガラス」派です。ふうー、満足。2018/10/28
takakomama
4
マルセル・デュシャンが、カルヴィン・トムキンズのインタビューに、アートに対する考えをくだけた口調で、ユーモアを交えて語っています。「マルセル・デュシャンと日本美術展」に行きましたが、インタビューを読む方が、理解できました。2018/10/31
オオクミ
4
東博から帰って一気読み。前提を置かない、思考停止を許さない、習慣を俯瞰。主体的で自律的だけど軽妙、力みがない、デュシャン、面白い。シンプルに言えば天才、率直に言えば変態。ユーモア・運動・アイデア・やってみた・因果律の幻影・アートなんて麻薬みたいなもの、大したものじゃあない。何もかも疑った。「わたしの言うことなんて信じちゃあいけませんよ。」「アートってものは信じない、アーティストってものを信じてます。」 今日のバンクシーのシュレッダーときっと繋がってる!2018/10/07
地下道入口
4
至言の宝庫。2018/10/04
kentaro
3
⚫️「一番重要な要素の一つは、全面的に自由であること、というこの態度だと思います。伝統から自由であること、種類を問わず、ドグマというものから自由であることです。それから、絶対に何かを当然視しないという彼のあり方。自分はすべてを疑った、すべてを疑う中で、何か新しいことを思いついた、そういうことを話していました。[・・・]すべてを、アートの本性そのものまで含めて疑問視しなければというこの必要、この情熱ですね。レディメイドの本当の要点というのは、アートとはこういうものだと定義づけてしまう可能性を否定することだっ2019/09/28
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