内容説明
鵜殿甲太郎は、吉田松陰の密命を帯び、尊皇討幕運動のさきがけとして陸奥に向かった。さらにもう一つの使命も託されている。甲太郎を仇として追う弟妹、同じく隻眼の少年剣士金太、さらに歴史を裏から操る山奥の謎の民巨勢一族。国難を打開する“資金”をめぐり、波瀾万丈の展開が…時局への抵抗も読み取れる長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワッピー
15
鵜殿幸太郎が脱藩をしたのは、師吉田松陰から東北列藩で尊王討幕の火の手を上げること、資金となる金山の探索を命じられたためだった。藩の追手、代官所の下っ引の子供、そして食い詰め浪人2人に、鼬1匹を引き連れて珍道中。「鞍馬天狗 角兵衛獅子」の系列に入る作品で、当時の国策に従ったジュブナイルです。この時代は、児童文学頭巾だけではなく、時代色頭巾も被って読まないと辛い作品もありますが、さすがは山周、シリアス・コミカルつきまぜて、バランスよく仕上げています。解説にもある「楽天旅日記」も陰謀とのどかさが程よいオススメ。2019/01/09
ふじ
3
1939年に発表された作品。思っていたのとは違って幕末の時代ではあるが、どちらかと言えば冒険活劇的な内容だった。 幕末なのに読みやすい内容だった。2019/01/20
マサ
2
幕末、尊王の志士に正義を反映する内容は戦時における統制を感じさせる。著者の正義観は武家ものでも市井ものでも一個人の心情をすくいあげて希望を見出すことに特徴があると理解していたが、ここでは個が大義の中に埋もれている。ただ、その中でも鵜殿父子の関係、特に父の心情には深みがあって十分に納得できる。2024/12/27
山内正
2
萩毛利藩で三年勤めた 鵜殿甲太郎は江戸に出て吉田松陰に出会いこれからは幕府では無く 一民として国を治める事になる様 奥羽の諸藩に勤王を説いてくれと その軍資金として銀山の証文と地図を預かり会津に向かう!2018/11/25
ブブジ
0
ふとした時に読みたくなる山本周五郎、この作品は少年向け雑誌に連載されただけあって、テンポの良い時代物。現代と違って、戦前の人たちはずいぶん大人びた物語を読んでいたんだなぁと感じます。2022/08/20
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