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内容説明
リットン調査団への接待攻勢、諜報活動に努める杉原千畝ら外交官。満州国の正当化のためのメディア対策……。奇跡的に残存する1931~1936年の外交機密費史料。領収書の数々は何を語るか? インテリジェンス、接待、広報など、機密費史料から中国大陸での外交活動を復元し、満洲事変から盧溝橋事件へといたる道を描き出す一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
templecity
12
戦前の中国大陸では外務省が欧米赴任に比べ手当、機密費が低かったが、陸軍はその10倍は機密費があった。その潤沢な資金で様々な情報を得たり、接待などで交流を図っていた。リットン調査団も相当な接待を受けている。国際連盟を脱退したことで直ぐに戦争の機運が高まったのではなく、その後は機密費で中国の日本通との交流を通じて、融和ムードになっていた。しかしこれらの知日派が殺害されたりしたことでパイプを失い、更に日独防共協定を結んだことで欧米が中国を支援することになり、結果として蒋介石政府は抗日に舵を切ることになる。(続き2019/02/19
moonanddai
11
読みながらいつも気が滅入る時代の話ですが、(なら読まなければいいのだが)奇跡的に残っていた「機密費」という外務省サイドからの満洲事変及びその後ということで、読んでみました。機密費の中身は、インテリジェンス、(官官)接待、広報そして「雑費」ということになるようです。そして接待費が最も多いとか…。陸軍も飲ませなければ言うことを聞いてくれない、ということだったのですが、それでも言うことは聞いてくれませんでしたね。リットン調査団へも接待攻め…、でも結果はある意味「公明正大」。こんなものなのでしょう(今も…?)。2019/11/15
紫の煙
11
機密費の領収書が残っていた事が驚きである。その後の使い方が、雑費の様であるのも意外。本書は、外交機密費が何に使われたのかを資料に、満州事変から日中戦争に至る外国関係の遷移を解き明かそうとする。これを読んでいると、戦争は回避できたかもしれないと思うと残念である。2019/10/18
駄目男
7
戦後、進駐軍が上陸する前に重要機密書類は陸軍省、参謀本部などで多く焼却されてしまったが、満州事変期の外交機密費の資料が残存していた。資料には在中国公館と本省の間の往復電報や機密費の領収書が収録されており、謂わば、この領収書から外交機密関係を掘り起こしていこうという、途方もない本で、膨大な機密費の領収書を基に、その外交と軍事の両方から盧溝橋事変に至る最悪のケースを回避出来なかったものか、その可能性を探っているのだろうが、私にはこの民族的対決が必然的なものだったのかどうか分からない。 2019/02/02
かに
6
満州事変発生前から盧溝橋事件までを機密費などをみながら流れを追っていく。 緊迫した日中関係が改善するチャンスは何度か訪れながらも軍部の暴走や暗殺事件などタイミングを逃し、盧溝橋事件へと進んでしまう。2023/01/30
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