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内容説明
シリア、イエメンなど中東で頻発する虐殺や弾圧、それから逃れる大量の難民、欧米で繰り返されるテロなどの問題に対して有効な手立てを失った国際社会。その背景には、アメリカ、EU、国連、領域国民国家、西欧啓蒙思想など、第二次大戦後の世界の安定を担ってきたシステムと秩序の崩壊という現実がある。この崩壊過程の末には何があるのか? トルコを中心としたスンナ派イスラーム世界の動向と、ロシア、中国といった新たな「帝国」の勃興を見据え、展望を解説する。現代の“限界”の理由を概観し、文明の衝突を超え、日本はどうあるべきかを考えるための、現代史講義。 【目次】はじめに/第一章 限界のEU、啓蒙の限界/第二章 限界の国民国家/第三章 限界の国連/第四章 限界を超えるためのパラダイムを求めて/終章 帝国の狭間で/おわりに
目次
はじめに
第一章 限界のEU、啓蒙の限界
第二章 限界の国民国家
第三章 限界の国連
第四章 限界を超えるためのパラダイムを求めて
終章 帝国の狭間で
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
29
著者の今までの著作は、どちらかというと冷静な眼で見た中東情勢といった印象だったが、本書はそれらとは一線を画す「世界観」を前面に出している。著者の見立てではヴェストファリア体制以降の領域国民国家はもはや限界で、これを基盤にした世界システム、あるいは秩序は世界大戦ともいうべき多くの犠牲者を伴った崩壊過程にある。この中でイスラームの持つ内包性や公正さを前面に出しつつあるトルコに注目する。領土的野心ではなく、異質な者を排除するのではなく客人として受け入れるイスラーム的姿勢を高く評価している。刺激的な指摘だ。2018/11/05
樋口佳之
24
国が「グローバル人材の育成」をうたっても実態はせいぜい英語偏重の、グローバル企業にとって使い勝手のいい人材を養成するということ。百歩譲って経済は英語をリンガフランカ(共通語)とするとしても、政治はそうはいきません。/言葉には、歴史や思想や価値観、そして世界観が詰まっています。どんなジャンルだろうとまず原語で読んでその上で批判をする精神というものを持たない限り、外の世界は理解できません。そして、そういう教育は大学でなければやりようがないのです。/2018/11/28
なななな
12
なかなかビミョーなタイトルだなぁ…と思いつつ、読み進むとなるほどと納得する視点が多数。「パラダイムの違い」・多様性はずっと議論されていることであるにも関わらず、冷戦以降の世界秩序が確かに成立していない。 ”日本人” ちゃんと考えないと!2018/12/07
法水
7
第二次世界大戦後の秩序が崩壊し、現代世界がある種の限界に達したという認識の下で書かれた警告の書。内藤先生が以前から指摘している通り、「領域国民国家」の概念そのものが揺らいでいる現在、欧米諸国とイスラーム諸国との対話は果たして可能なんだろうかと暗澹たる気持にもなってくる。そんな中、依然として血統主義に拘っている国もあるけどね…。外国人労働者受け入れについての言及もあるけど、万博誘致で浮かれている連中には「いつまでも経済成長という幻想に縛られているのは無意味」という至言を送りたい。2018/11/24
どら猫さとっち
6
今国際社会は大きな揺れに直面している。中東で頻発している弾圧と殺戮、逃亡し続ける難民、欧米で繰り返しているテロ。EUは、アメリカは、アジアは、そして日本は、どうなっていくのか。どうすればいいのか。本書にその手がかりがある。これを読んで、日本の政治家たちはどのように思うのか。情勢は厳しく複雑であることを踏まえて考えなければならない。2019/01/23
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