内容説明
昭和初期の「東京」という猥雑で郷愁に満ちた場を舞台に、男女の情愛の果てに起きる悲しくも濃密な事件を、当時の風俗を活写しながら描きだす。鬼才の異色作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Norico
6
図書館で。昭和初期の東京を舞台に、男女の情愛がらみの事件が描かれる。全編とおしてじっとり湿った感じに時代を感じる。2023/08/27
Kom
2
昭和初期の東京の様子が伺えて楽しい。 雑然としているが、下品にならず粋なところも感じられるのは流石。2022/09/01
pinoka
2
この小説に書かれた時代に生きていた訳ではないけれども、この「現代社会のようなクリーンさの薄い、昭和のちょっと汚れた感じ」が懐かしい。猥雑さがあっても読むのが嫌にならないのは筆力の賜だと思う。適度に濡れ場が入る感じ(笑)は、新潮の「黒い報告書」を思い出して、これもまた昭和っぽさだなあと。かっちり白黒付けるという訳ではなく、ほんのりとしてる感じも、物足りないけれどもこれはこれで良い。2015/09/08
kanamori
1
☆☆☆2010/09/29
渋谷英男
0
各篇扉絵がいい。昭和戦前の生活風俗と言うより性風俗が強いかな。推理色は薄め。☆32017/12/06