内容説明
『土佐日記』の作者・紀貫之は、国司の任を終えた送別の宴で連日、熱烈に歓待された。酒好きが多く、酔うほどに胸襟を開く土地柄なれば、開放的な酒宴は今なお健在、と高知出身の著者は言う。福沢諭吉の名言ならぬ「酒は人の上に人を造らず」を地でいく著者は、東京の下町をはじめ、北海道、福島、京都、愛媛、熊本など各地を訪ね、出会った人たちと縁を結ぶ。酒場の風情と人間模様を描く、読みごたえたっぷりの紀行エッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kei
52
いや、造るけどね。(笑)お酒、山歩き、俳句、短歌、旅。満載です。それらつながりの人脈も多彩。同じ夜毎ととるか、実り多き夜毎ととるか。のんベェにありがちなちょっとした雑学が、私には、おもしろかったです。2018/05/23
roatsu
35
素敵な題名である。吉田類さんの生き方は、他人の価値観に惑わされることなくあるがままの自分でいるという自己実現を体現したようなものだと思う。だからこそ周囲が放っておかない魅力的で稀有な存在になっているのだと。お酒や下町、地方のことに加え藻岩山や高尾山の山歩きに青春の日々など自由自在な文章で類さんの歩む日々を少しだけ追体験できる紀行エッセイ。つくづくとこんな大人になりたいと思う。これからも元気でお酒と人の縁を愉快に紡いでいってほしい。2018/02/04
かごむし
30
こんなに酒くさいエッセイは見たことがない。カウンターに座るような居酒屋で見かけるような酔っ払い。独りよがりの哲学があって、でも聞いてみると魅力的な部分もあって。それは確かに一理ありますねなんて言ってみたいが、なんせ相手は酔っ払いである。酒くさい息の直撃を交わしながら、なんとかコミュニケーションを取ったそんな遠い記憶を思い出させる。おおげさでわざとらしくて、でも酒でないとしずまらないような鋭い感性があって、真面目な姿勢が文章ににじみでている。個性的な文章という意味では唯一無二のものでありなかなか面白かった。2020/08/18
フク
23
図書館。オレたちの月9でお馴染みルイルイの著作。言葉が美しい。それでいて酔っ払いエピソードは想像通りなので安心する。病室で見舞客とノンアル飲料でカンパイは想定の斜め上だったが。乙類でした。2020/09/22
koji
22
3月末に京都旅行した時、JR伊勢丹で「吉田類のパラダイスな京都とパリ」展があり、見学がてら本書を買いました。類さんの「酒場放浪記」(BS-TBS)が好きで、時間がある時は視ていますが、本書でも少し謎解きがされています。何と、のれんを潜る時は2軒目なんですね。どうりで、ほろ酔い加減かと。さて本書でも、類さんの愛すべき人柄が堪能できます。特に酒の失敗話は抱腹絶倒(例えば神田の怖い店の脱出行等)。さらに俳句・短歌。広島の酒を詠じた「独酌に雨後の月冴ゆひとしずく」は傑作です。日本酒のお供として、本書をお薦めします2018/04/13
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