ちくま新書<br> 地方都市の持続可能性 ──「東京ひとり勝ち」を超えて

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ちくま新書
地方都市の持続可能性 ──「東京ひとり勝ち」を超えて

  • 著者名:田村秀【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2018/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480071750

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内容説明

地方分権の声も虚しく現在の日本は東京ひとり勝ちである。人口データを見ても経済力を見ても、明らかなこの状況、しかしこのままでは行き着く先は共倒れしかない。市町村合併といった具体策も実行されたが、むしろその副作用が露呈した。少子高齢化と長期低迷の時代、地方は衰退するしかないのか? 公共政策に精通する研究者が、全国各都市の栄枯盛衰を人口・産業・競争関係などから俯瞰し、さらに道州制や首都機能移転など、これまでの議論を整理。一風変わった視点から暗い将来像を振り払い、地方が生き残る条件を再検討する。

目次

第一章 データにみる東京ひとり勝ち/第二章 だれが都市を殺すのか/第三章 国策と地方都市/第四章 都市間競争の時代へ/第五章 人口減少時代に生き残る都市の条件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

hatayan

14
人口の推計から今後も東京への一極集中は避けられないが、近く想定される大災害に際して地域に光を当てることはできないかという趣旨。 俄然面白くなるのは事例を豊富に取り上げた第三章から。 都市間で競ってきた大宮と浦和、前橋と高崎、長野と松本、高松と松山。民間企業と一体になって街づくりを進めてきた豊田、日立、苫小牧、飛島村、宝塚。国策に翻弄された夕張、飯塚、長崎など。 人口370万の大都市から160人余りの村まで、自治体の組織の形が画一的なのはそろそろ見直す時期に来ているのではないかとしています。2018/11/26

すのさん

4
かつて豊かだった都市が産業の衰退や企業の方針転換により変貌していった過程を知ることで、都市という存在がどれほど時代と構造に翻弄されるものかを実感する。かつて隆盛を誇った日本海側の都市が東京、北海道へ人口流出により衰退したこと。炭鉱都市の夕張市の凋落は非常に印象的。現在の地方都市の持続可能性を考える上で、単なる施設誘致や都市開発では根本的な解決にはならないだろう。もはや地方都市だけでの努力ではなし得ない段階にある。地方の再生には膨れ上がった東京からの人口移動という国家的視点からの政策介入が不可欠ではないか。2025/07/16

もけうに

4
都市の盛衰史が大好きなので、とても面白かった。多種データを綿密に分析し、地方都市の変遷を辿る。江戸以前の城下町・港町から、戦中の軍都、戦後の炭鉱都市、現代に続く企業城下町、と国策・企業に振り回される地方都市。炭鉱都市・企業城下町は急速に栄えるけれど、会社が撤退したらお終い。著者が北海道出身のせいか、北海道の都市変遷について多く書かれていて楽しい。小樽の盛衰、苫小牧と室蘭、夕張etc. 「海に眠るダイヤモンド」を観ていたので、端島の話も興味深い。長野vs松本、高崎vs前橋等のライバル都市の話も楽しい。2024/12/25

本命@ふまにたす

2
東京一極集中と地方都市の今後について論じた一冊。著者の考えも最終章で述べられているが、大半は現状の日本の都市の分析にあてられており、その点は少し残念な感じがした。2021/07/11

アッキー

2
人口が減少しても元気な自治体がある。私が住むまちもまだ、チャンスはある。 やるっきゃない。2019/01/25

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