内容説明
『捜神記』『唐代伝奇』『聊斎志異』『子不語』など六朝から清代まで、変幻自在の奇想幻想小説約30篇を、ミステリ評論家でもある練達の中国文学者が精選、新訳でお届けする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
110
井波律子先生がお亡くなりになりまだまだこれからというときに非常に残念です。この本では中国の六朝時代から清の時代の幻想的な味わいを持つ作品を紹介してくれています。私は捜神記、子不語、聊斎志異などは読んでいますがそれ以外にも結構いろんな作品があるのですね。読んでいると日本の童話や雨月物語あるいはコミックの諸星大二郎、南伸坊さんの作品を思いだしたりしました。また円朝の牡丹灯籠の原作もあったりで楽しめました。2020/10/27
藤月はな(灯れ松明の火)
61
中国の各年代の奇想集。編者が『中国ミステリー探訪』の井波さんだから絶対に面白いと思っていたら大当たり。特に雨月物語での一篇、「蛇性の淫」に影響を与えただろう「白娘子」(唯一の長編)が強烈だ。愛しているが為の行動が結局、愛する人を害している事を理解せずに何度も窮地に陥らせてしまう白娘子の害のある健気さに怖気が止まらない。そして多分、愛に夢見がちな少女時代に読んでいたら白娘子の言動を純愛として応援していたと思うのが何とも・・・。「おんぶ幽霊」は『千年狐』(張六郎)の霊が見える詐欺師、伯君でイメージしてしまう。2025/09/17
たま
55
六朝(捜神記等)、唐(唐代伝奇)、宋(夷堅志等)、明、清(聊斎志異等)から26の奇想小説を集め解説を付した本。井波律子さんの編訳。同系統の本は昔子ども向け聊斎志異を読んだだけと思うが、多くの話に既視感があった。「桃花源」「枕中記」など良く知られリライトされているものが多いからだろう。美しい娘と知り合い家に招かれご馳走になり有卦に入っていると実は娘は妖怪だったという型の物語も多い。この願望のベタさはすごい。なかで馮夢龍の「白娘子」の妖怪がしぶとくて面白い。全体に素朴だけれど物語の原型を見る思いがした。2022/05/16
ひよピパパ
25
先日お亡くなりになった井波律子氏を偲びつつ読了。本書は中国の不可思議な物語を時代順に並べ、簡潔な解説を付したもの。「桃花源」や「枕中記」「離魂記」などなじみ深い話も収録する。個人的には、美女になった狐の話(「任氏伝」)、「死が二人を分かつとも」(「心堅金石伝」)、「枕中記」の内容を反転させた「欲望の悪夢」(「反黄粱」)が面白かった。時代の経過とともにストーリーが複雑化し、より精緻になるさまが見て取れた。2020/06/01
サトシ@朝練ファイト
24
日本の昔話の原形になったものなど。2018/12/29
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