ちくま学芸文庫<br> 人知原理論

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ちくま学芸文庫
人知原理論

  • ISBN:9784480098795

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内容説明

事物が存在するということは、それが知覚されているということである──。ジョン・ロックの経験論哲学の批判的継承者たるジョージ・バークリー(1685-1753)は本書『人知原理論』において、こう断言する。それは裏返せば、知覚されないものは存在しない、つまり私たちの心から切り離された「物質」なるものなど存在しない、ということだ。様々な批判にさらされながらも、ヒュームやカント、ドイツ観念論など後の哲学思想に多大な影響を与えたバークリーの思想とはいかなるものか。その透徹した論理にひめられた核心が、平明このうえない訳文と懇切丁寧な注釈により明らかになる。主著、待望の新訳。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

かわうそ

51
精神の外に存在するものなどない。バークリーにとってそもそも存在とは精神の中にあることを指すのです。この精神は一つの精神を指し示すわけではなく、すべての精神のことを表す。たとえ一つの精神に存在していなくても他の精神の元に存在していることは大いにある。バークリーにおいて誤解されるところなので彼も強調している部分であり、我々もよく注意しなければいけない点です。悪も欠如を示して善を引き立てるということから考えれば善である。確かにと思う一方で無理矢理感も所々あるわけですがそれを込みで面白いのが人知原理論という本です2023/05/15

猫丸

17
1710年に公刊された本。前半は物理的実体の存在は仮説にすぎない、無くても構わない前提だから捨ててしまえ、との議論。つまり私の感覚は疑いもなく現前するが、私の外部に自存するモノなど存在しない。そんなものを仮構するからややこしいことになるのだ、と説く。少々面白い。ところが後半になると、事物を介さずにわれわれの精神に直接はたらきかけるのは神に他ならない、というドグマに堕してしまう。時代の制約とはいえ安易に過ぎる。せっかくのラディカルな問題設定が台無し。懐疑より信仰だそうですよ。まあ、一回読めば十分かな。2019/03/29

Ex libris 毒餃子

6
知覚を通してのみ、認識が可能であるということから、物質の存在を確認できない、という認識論を展開する。第一原因は神に持っていくのは当時の社会としては順当。2020/05/02

ksg

5
物質は存在しないという一見突飛なテーマだが、実は理路整然としている。そこにバークリーの魅力がある。だがそこから最終的に神が現れてくるのは如何なものか。私が観念を持っていないものは、神の観念であるとの論理に対して、そうして神を我々の外部に存在するものと定義するのであれば、それは物質となんら変わらないではないか、という疑念が残る。以前よりバークリーに限らず神の存在に関する議論は神の概念や、神という言葉の定義をどう置くか次第だと感じていたが、本書を読みそのイメージがより鮮明になった。それもまた有意義なことだ。2019/07/06

ポルターガイスト

5
おもしろかった。論旨が明快だし,論敵をばっさばっさ切り捨てるような語り口が痛快で読みやすい。どうせ倫理の授業するならこんな感じのテンポでやりたいと思う。あとバークリーというと,なんとなく「目を閉じたら世界のすべては消えてなくなる」みたいな思想を説いてるイメージだったんですけど,それは正確ではなかったんだなあと思いました。「誰にも確認できないものは存在しない(神はすべてを確認しているけど)」とでも言えばより正確なんですかね。2019/01/23

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