内容説明
第二次世界大戦後、世界は二極化を経て、なぜ現在のような混迷する時代になったのか――。国際政治史の世界的権威が、激動の戦後史を外交や軍事のみならず、経済・社会・文化の広い視点からダイナミックに描き出す。日本や中国を含む東アジア地域についての記述を大幅に追加した最新版の翻訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井上裕紀男
12
年代別、テーマ別に整然と編集されたた国際関係史。第7章のテロ関連は表面的な記載に止まり物足りないと思いますが、中央アジア・キプロス・アフリカ植民地などの第2次世界大戦前後に関しては学ぶところあり。著者が苦しい時代にアルジェリアで産声を上げたことも要因か。 参考文献が無いのは惜しいですが、宮下さんの解説により、本書の学問的側面も知ることができます。 フランスでは高校生(エリートだけなのか?)も読むらしく、良いなと思います。日本の教科書もただ時代を追うだけでなく、テーマ性を持っても良いような気がします。2024/05/01
hurosinki
4
安易な一般化を避け、歴史的事実を細かく追っていく。教科書みたいで読むのに苦労する…小国にここまでページを割く必要ある?WW2後の米英ソを中心とする大国協調は、互いの猜疑心からドイツ問題を巡り「二極化した世界の誕生」(1945年ー55年)に行きつき、核の均衡のもと二つのブロックは「平和共存」(1955年ー62年)に進み、軍備・宇宙開発・経済の領域で競争するようになった。2020/05/31
TAMON BOLIVAR
1
第二次世界大戦後から、2016年あたりまでを網羅した国際関係史。 この著書のおおきな特徴は、国際関係史にありがちな米ソ関係史偏重の書き方がされておらず、アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどの周辺地域の情勢について他書と比べて詳細に記載されているところである。2023/10/07
ラピスラズリ
1
特に冷戦期に着目した本だというわけではないが、冷戦期におけるアメリカとソ連との間の緊張と融和との間の揺れ動きがよく分かって非常に興味深かった。特定の地域、特定の国の間での紛争が始まりであるにも関わらず、対立しているグループが支援を求めようとすると、結局その当時対立していたアメリカとソ連が対象になってしまい、代理戦争のような構図になるということが世界のあちこちで起きていたことがよく分かった。2023/06/22
zanzalve
1
第二次世界大戦後からの国際関係史。 現代史は、どうしても世界のニュースに興味を覚えてからの出来事に捉えられてしまうが、このようにまとまっていると分かりやすい。 日本人は何となく第二次世界大戦でガラガラポンされてゼロからやり直したように考えがちですが、当たり前だが世界史の大きなポイントではあるが、流れる歴史の中で前後に繋がっていく。 現在起きていることが、歴史上の流れにおいてどのような位置付けになるのか理解していきたい。引き続き増補、改訂を続けてほしいし、何なら二次大戦前にも遡って欲しい。2021/01/04