角川文庫<br> ファミリー・レス

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角川文庫
ファミリー・レス

  • 著者名:奥田亜希子【著者】
  • 価格 ¥704(本体¥640)
  • KADOKAWA(2018/10発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041074169

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内容説明

「家族か、他人か、互いに好きなほうを選ぼうか」ふたつきに一度だけ会う父娘、妻の家族に興味を持てない夫。家族というには遠すぎて、他人と呼ぶには近すぎる――現代的な”家族”を切り取る珠玉の短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

121
どこがどうと具体的にうまく表現できないのですが、なんとなく作風がハマってる奥田さん作品の再読です。基本、女性が主人公で女性目線から綴られる作品が多く感じますが、本作もその雰囲気に馴染まされてしまいます。タイトルにあるように様々な'ファミリー'が登場し、さりげなく登場人物達がビミョーに繋がってる構成は読んでいて、作品本質とは別な楽しみ方もできます。家族のあり方を考えたトキに自分に無理してまで、あるべき姿を求める必要は決してないんだなと思わせてくれます。スゴくハマるかと言われると人それぞれな感じは否めません。2021/09/01

akiᵕ̈*

53
実の姉にデキ婚で彼を奪われた妹、売れない画家を続け妻のヒモ状態の男、離婚して一人娘と離れて暮らす父、中3男子の曾祖母との交流、姉の忘れ形見の一人娘と本当の母娘になろうとする妹、婚約破棄し自暴自棄になっていた所に、女癖の悪い父の異母兄弟が現れた女。そんな6つの家族の物語。家族の中であって自分の思い通りにいかない孤独を抱え、みんな自分の拠り所を探している。様々な家族の形があってその難しい距離感を、ドラマチックという程はないが、じんわりと響いてくるセリフが心に残る。2020/09/30

エドワード

45
家族。切っても切れない厄介なもの。平凡で普通の家族なんて実はそうそうない。たいていの家族は何か欠けている。欠けていたって不幸じゃない。そんな六つの家族の肖像。最後は明るく終わる連作のタイトルが<ファミリー・レス>。絶妙だ。随所に現れる印象的なセリフ。亡くなった双子の姉の娘を本当の娘のように愛おしむ妹。だが娘は「好きな人のことは、ほんの少しの違いまで分かるんだよ。」と言う。でも二人の別れは希望に満ちている。小学生の頃から一緒に育った樋口友弥と東伊緒里。中学校の卒業式の別れの会話の胸キュンさが堪らなく青春。2021/06/29

さおり

44
文庫にて再読。数日前に同じように再読した本が前に読んだときと比べてあんまりだったので心配になって、もったいなくて積んだままだったこちらをチョイス。これは、再読でも良いままでした。はっきりとどの辺りが、とかはわからないんだけど、涙がぽろぽろとこぼれました、何度も。前に読んだときには気にならなかったウーパールーパーの成体化がとても気になるのだけれど、もしも画像検索とかしたら私には受け止めきれないのではないかと思って踏み出せません。高校生くらいまで、爬虫類や両生類は苦手すぎて、図鑑で見ても怖くて号泣してたので。2019/02/07

カノコ

43
姉と絶縁して家を出たOL、妻の家族に関心を持てない画家の夫、曾祖母と同居することになった中学生…。家族に戸惑うひとたちの連作短編集。家族は流動的で、増えたり減ったり、欠けたり満ちたりする。そんな継ぎ接ぎの家族の無遠慮さに、時に救われることもある。中学生男子の初恋の行方を描いた「さよなら、エバーグリーン」が好き。家族と呼ぶには遠い身内、けれど確かに他人ではないひと。そんなひとと心を通わす瞬間の美しさと、少年の心の揺らぎの痛さが、青い。連作短編といいつつ、つながりが見出せない話も…読み込みが浅いか?2020/07/08

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