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内容説明
空前のペットブームと言われるなか日本ではいまだ年間6万匹もの犬や猫が殺処分されているという現実がある。
この悲惨な状況を少しでも変えていこうと精力的に活動を続ける女性――
それがNPO法人・犬猫みなしご救援隊の代表・中谷百里さんそのひとだった。中谷百里さんの活動を追いつつ犬と猫、さらにはその向こうにいる「人間」の問題により深く迫る!
多頭飼育崩壊の現場では大量に増えた犬や猫だけでなく飼い主である人間の社会からの孤立も問題に。
東日本大震災で被災した犬や猫が飼い主から離れて暮らす現実。少しでも大切な命を救うために中谷さんがとった行動。
本書では、番組で紹介された内容をさらに深く掘り下げて紹介!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
manamuse
21
フジテレビの『ザ・ノンフィクション』のディレクターによって書かれた作品。広島に本部を置く「犬猫みなしご救援隊」代表の中谷さんとパートナーの田原さんに密着取材を続けている。東日本大震災の時にもいち早く行動をしていた。被災動物達を保護するのに土地を貸してくれた人がいて、栃木県にシェルターを作り、月の10日を広島・10日を栃木・残りは全国から依頼を受けてTNR活動をする傍ら、多頭飼育崩壊のサバイバーまで助けている。2013年に広島市のセンターから猫全頭を引き出し事実上殺処分ゼロを実行し、職員達の意識まで変えた!2021/06/25
Nobuko Hashimoto
18
映画「犬と戦争 ウクライナで私が見たこと」を鑑賞し、監督がこれまでにも長く動物保護活動を取材し、自身も活動されてきたと知って手に取る。本作は、犬や猫を保護し、不妊手術を施し、終生飼育する日本の団体の取材記録をまとめたもの。多頭飼育が立ち行かなくなった個人からのSOSを受けて向かった先の生活環境の酷さが文字からだけでも目に浮かぶ。多頭飼育が崩壊する人は、家族を失ったことがきっかけで自身の生活や精神状態が悪化したという共通点があるのか。「犬と猫の向こう側」には人がいて、彼らを助けることでもある模様。2025/03/09
ののまる
11
多頭飼育崩壊からの犬猫の救出。人間側に問題があることが多いため、飼い主の心の闇にも対峙する必要があり、その結果、人をも救う。ドキュメンタリーを観たことがあるので、ああ、あれか❗️と映像を思い出しながら、読みました。2020/10/28
fumikaze
11
ここに登場する多頭崩壊の飼い主達、とても他人事とは思えない。1歩間違えば、というより既に私も生活が崩壊している気がする。たまたま私は4匹しかいないから大事には到っていないかもしれないが、一体彼等彼女等と私との間にどれだけの違いがあるというのだろう?2019/05/06
きょん
7
犬猫みなしご救援隊の活動を追ったドキュメンタリーを綴った一冊。多頭飼育崩壊がなぜ起きるのか、飼い主の抱える精神的、物理的問題が見えてくる。また東日本大震災で福島の警戒区域に取り残された動物たちを救おうと奮闘する。中谷さんというカリスマの存在に負うところも多いが、それを確かなものとして継続していくことが、またそれを積極的に支援する社会に変わっていくことが必要だ。2021/02/03