内容説明
人は悲しいから泣くのか? それとも泣くから悲しいのか? これは脳科学においては、昔から論争が続いている根源的なテーマです。実は人間の行動は「頭で考えたこと」に従うよりもはるかに、「情動」によって支配されています。情動がなければ、私たちは永遠に意思決定できない場合もあります。いったい情動とは何なのか? それはどこから起こるのか? 最先端のテーマについて、世界のトップランナーが興味津々に解説します!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
113
自分の行動はどのようなからくりによってきめられているのかというかなり興味を引く題材であったので手に取りましたが、やはりかなり難しいことが書かれています。全体としての方向性はわかるような気がする(?)のですが、かなり細かいことになると私の知識の範囲では追い付かないようです。もう一段優しい本をさがそうと思いました。2024/03/13
樋口佳之
51
副題の方が内容を正しく表現していると読みました。/為政者は何故、オリンピックや一大スポーツイベントにここまで拘るのかがわかる内容だったかも/「感動を届ける」という言葉にどれほど違和感を持っている人でも情動レベルでは届いてしまうというお話。2021/07/19
うえぽん
39
脳科学者による脳など全身の精神機能のメカニズムの解説本。感覚系からの情報が物理的側面と情動的側面とで並列的に処理され、後者は自律神経や内分泌を通じて全身の状態に影響を及ぼし、さらに前頭前野が認知することで「こころ」を形成するという。不確実な報酬がドーパミン作動性ニューロンを興奮させ、活動に影響を与えることや、特定の分子の発現パターンの違いで、ネズミが特定の雌との交尾や子の世話を報酬と捉えるなど、こころの作用の原因は性格のみによるのではないことを理解。行動のほとんどは無意識によるものだと気づくことも重要。2024/02/14
りょうみや
33
最新脳科学を情動と進化をベースにして一通りポイントを抑えて概覧している。専門用語を多様しているがブルーバックスらしくそれでも分かりやすく解説しているように思える。脳科学の本を読むたびに人を含めた生物は何とも精巧な生化学マシンという思いが強くなる。2022/09/15
かんやん
32
脳は新たな機能を外側に作ることによって進化してきたが、情動は脳の深部にある大脳辺縁系(海馬と扁桃体)で生じるものであり、進化的適応と考えられる。行動、交感神経の興奮、内分泌系(ストレス応答)の測定により情動は客観的に測定され得る(ヒトでも動物でも。抗精神薬のスクリーニングはマウスを用いる)。一方で外側にある(新しい)大脳皮質は辺縁系と並列に入力情報(感覚)を処理するが、情動に関わるものではなく、解析機関のようなものである。情動の身体反応は脳にフィードバックされ、情動を修飾する=感情を生む?2020/06/15
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