角川選書<br> エドゥアール・マネ 西洋絵画史の革命

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角川選書
エドゥアール・マネ 西洋絵画史の革命

  • 著者名:三浦篤【著者】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • KADOKAWA(2018/10発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784047035812

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内容説明

印象派より危険で、ピカソより前衛的──。
マネを起点に描き出す新たな西洋絵画史。

印象派が産声をあげる直前の19 世紀パリ。画家マネのスキャンダラスな作品は官展落選の常連であったが、伝統絵画のイメージを自由に再構成するその手法こそ、デュシャン、ピカソ、ウォーホルら現代アートにも引き継がれてゆく絵画史の革命だった。模倣と借用によって創造し、古典と前衛の対立を超えてしまう過激な画家は、芸術のルールをいかに変えたのか。謎めいた絵画作品の魅力と、21世紀へと続くその影響力に迫る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yyrn

26
名画を漫然と観てしまうとその革新性を見落としてしまうのは、それ以降多くの画家に取り入れられて、いつしかそれが当たり前になってしまうから。と頭では分かっても、この本で教えられなければマネの凄さは分からなかっただろう。マネの代表作である『草上の昼食』や『オランピア』が非常識だと当時の画壇から叩かれた話は知っていたが、それに挑んだ理由やその後の大きな影響までは思い至らず勉強になった。古典画や当時の一流絵画に学んだ上で換骨堕胎したマネがいたからこそ、直後の印象派が世間に受け入れられたのか。近代絵画のNOMOか!?2020/03/25

19
絵画史のパラダイムシフトとしての「エドゥアール・マネを中心に据えた西洋絵画史」という野心的な試み。マネ以前の絵画史はマネの作品の中に集約され、マネ以降の絵画史はマネの作品の切り開いた圏域の中にある、として近代絵画史におけるマネの影響力の大きさが説明される。当時の主流だった絵画様式や時代背景についても詳しいためマネの作品の革新性がとてもわかりやすい。 本書全体は三部に分けられており、それぞれにおいてマネと「過去」、「現在」、「未来」との関わりが解説されている。構成や文章がとても巧みな、とにかく素晴らしい本。2019/02/22

風に吹かれて

18
それまでの様々な絵画を参照して画面構成したマネ。筆の跡も残さず写実的三次元を旨とした伝統絵画に対して二次元平面彩色により以後のキュビズムや抽象絵画にまで影響を及ぼした。マネ以前マネ以後と絵画史の結束点としてマネを論じる。マネの頃は芸術作品を集成した図典が発行されたり美術館での作品収集・展示が行われるなど多くの作品に接することができるようになったきていた。また写真の普及も始まっている。そうした時代だからこそ伝統的な絵画からの新たな展開が起こったのではないだろうか。掲載絵画は白黒だけど、刺激的な美術史だ。2019/09/06

yuya

16
19世紀パリに生まれたマネについて、古代から現代までに至る美術史の中で、どう位置付けされているかを本書では論じている。同時代の印象派に影響を与えたとよく言われているが、むしろその後に続くセザンヌやピカソ、現代アーティストにまで幅広い影響を及ぼしていることに驚きを覚えた。わかるようでわからない画家だったが、ダヴィンチ以降で、最も重要な画家の一人であり、革命家だったことを認識させられた。2019/02/23

ハチ

14
素晴らしい。マネとその絵画の位置づけが学びやすい。 筆者は大胆にも、マネの引き起こした19世紀の西洋絵画史の革命に至る経緯と革命の爆心地と、その波動が現代アートにまで影響している様を豊富な資料や冷静な知識で二重にも三重にも束ね、一貫した視座を読者に授けてくれる。良作!2019/02/03

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