内容説明
山中で棒を振り回していた少年は、十三歳にして試合相手の頭蓋をかち割った!
自身も剣の達人である著書が描く凄絶なる歴史長編
宮本武蔵は幼少より武術に頭角をあらわし、生まれ持っての膂力と父の激しい指南にこたえ、13歳にして真剣の立会に打ち勝った。
血なまぐさい試合にあけくれた青春時代、京都郊外、一乗寺下り松での吉岡一門との死闘、関門・船島での佐々木小次郎との血闘など、いくたの修羅場でつねに勝利をおさめた孤高の剣聖の凄絶なる生涯を描破する。
吉川英治版『宮本武蔵』とそれを原作とした人気コミックの影響もあり、内省的な宮本武蔵像が一般化した現代。
だからこそ津本陽描く、本能で動き、野獣味のある武蔵像は読者にいまも新鮮な驚きを与える。
解説・桶谷秀昭
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
62
宮本武蔵の10代の頃から巌流島までの生涯が描かれていました。二刀流で戦ってきた様々な戦いがまさに目の前で繰り広げられているような臨場感があります。戦国時代を戦いで駆け抜けた孤高の剣士に引きつけられました。2020/12/27
うわじまお
43
おつうもマタハチも出てこない宮本武蔵。いろいろあるんですね。これまでと違った視点の武蔵と出会えました。2018/03/09
さきん
18
吉田英治の宮本武蔵は長いけれども、本作は一冊で読み切れる。その分、決闘シーンは短い。でも余り着飾ってない人間らしい宮本武蔵像で親しみ易かった。他の流派の解説もわかりやすい。戦乱の世が終わっていく流れで、乱戦や大戦、人殺しの経験を武士が積めなくなって、剣術家の需要が増してきた時代に武蔵は生きていたんだなと感じる。2017/11/11
マーブル
15
吉川武蔵と比較し、資料の裏付けという強みを感じる。ことに『五輪書』を読んだばかりだと、あちこちにそこからの引用を見つけることが出来、楽しい。まるで『五輪書』を噛み砕いて示してくれているかのようだ。極めた技を弟子に伝えようとするあたりから、孤独を痛烈に感じる。『五輪書』の内容は武芸の細部に至るが、その精神はそう簡単には理解できない。センスがない者には理解し難いものだろう。天才を理解することは困難であり、武蔵は類まれなる天才であった。そして天才はその技を伝える相手はおらず、したがってとても孤独である。2022/06/16
BluePlanet
5
★4.6 2012年11月10日(初版1985年5月)発行。著者の本は初めて読了したが、なかなか面白い。宮本武蔵は佐々木小次郎との巌流島(船島)の決闘が有名だが、この小説は、武蔵の10代の頃から、小次郎との決闘に至るまでのさまざまな出来事が、まさに眼の前で見たようなタッチで描かれている。今まで武蔵のことは読んだことはなかったが、1584年に生まれ、まさに戦国乱世の時代に生きたが故の時代の人だったんですね。小次郎との決闘は1612年。まさに怒涛の時代に生き抜いた孤高の人間。次は五輪書も読んでみたいですね。2015/04/25
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