内容説明
親しい友人も愛した男も、皆この世を去った。それでも私は書き続け、この命を生き存(ながら)えている――。吉行淳之介との不思議な縁。幼い自分を容赦なく叱った職人の父との思い出。色恋に疲れた男と老女とのささやかな交情。流麗に達し合うことができる、女性同士の性と愛。円熟の筆が、「私」と艶やかな共犯関係を結ばせるように、読者を物語へと誘い込む。終世作家の粋を極めた、全九編の名品集。(解説・田中慎弥)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うろん
5
お借り本。 美容院の棚にあり瀬戸内寂聴さんの本かと思ってボーっと見ていたら、お貸ししますよ、どうぞの一言で読んでみました。 短編集でした。2022/11/10
バーベナ
4
『紹興』や『面会』などは、大正・昭和・平成をまたいでのこれぞ生き証人という感じがして凄みがある。関係者は皆死んだ。どれも心に残るけれど、カメラマンとの交流をえがいた『わかれ』だけは、過去でなく現在の艶っぽさがある。何でも許してくれそうな、肉食菩薩のようで目が離せない。2019/01/17
いのふみ
2
滋味深い短編たちだった。亡き人のかたわらで、生き永らえる自分――。これは齢を重ねてより理解できる趣きだろう。2024/04/05
愛敬 史
1
『わかれ』というのは短編集の題名であり、『わかれ』以外にも数編の短編が編まれているが、どの作品にも人や過去の思い出、土地との「別れ」が主題となっているように感じた。吉行淳之介や武田泰淳、連合赤軍の幹部だった重信房子との交流や、故郷の父や亡くなった義兄など先輩作家や家族との交流描いた短編もあるが、私が一番印象に残ったのは冒頭の『山姥』であった。最後の場面は、老女自身が何を思ったのか、読後もしばらく想像に尽きない。2024/12/08
星辺気楽
1
それにしても・・・2024/05/06
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