内容説明
日本列島はつねに火山と地震の活動に見舞われてきた。私たちが地表で観察する数々の地学現象は、地球深部で起こる「何か」に由来する。地球科学者はその「何か」を特定すべく努力を続けてきた。列島の地学現象のすべてが、「水」によって結びつくことが明らかにされつつある。日本のトップランナーが、現代地球科学の基礎となるプレートテクトニクスから、最新の成果である地球内部の水の動きまでを徹底的に解説する。
目次
プロローグ 沈み込み帯に生まれて――変動し続ける日本列島
第1章 プレートテクトニクス入門――地球を理解するための第一歩
第2章 地球内部を視る方法――地球の大構造とプレートの運動
第3章 日本列島ができるまで
第4章 日本列島の下には何があるか?
第5章 プレートの沈み込みと水
第6章 プレート収束境界で何が起こっているか?
第7章 沈み込むプレート内で何が起こっているか?
第8章 火山の下で何が起こっているか?
第9章 内陸地殻で何が起こっているか?
第10章 関東地方の地下で何が起こっているか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
108
題名に比べるとかなり本格的な日本列島に関する本だということがよくわかりました。地球の外観的な観察からプレートとはどのようなものかという説明がありそこから日本列島が誕生した経緯などが語られています。プレートの下ではどのようなことが起きているのか、さらには火山の下では、ということで説明が非常に丁寧で授業のような感じでした。いい本だと思います。2024/03/28
まーくん
98
(再読)昨日3月11日は3.11東日本大震災から13年目。今年は元日から能登半島で大きな地震発生など、日本の地下の動きが気になる。我が家の近くも先月末から地震が頻発している。いわゆる千葉県東方沖地震。2/29から今日3/12までに最大震度4が4回、震度3が5回発生。これらの地震は房総半島の沖合下のフィリピン海プレート上部境界面(深さ約20km)で「スロースリップ」が発生したことに伴う地震と報じられている。関東地方のスロースリップ現象については本書にわかり易く説明されていたことを思い出し再読。⇒ 2024/03/12
skunk_c
67
地震学の専門家がその発生メカニズムや日本の火山の分布とその要因などをわかりやすく解説している。最初に基礎知識としてのプレートテクトニクスが説明されるが、そのプレートに関しても、最新の知見で示されているため、例えば従来高校の地理教科書などでは「北米プレート」とされていた東北~北海道が乗っているプレートが、現在は「オホーツク・プレート」という小さめのプレートととらえられているなど、ありがたかった。また、日本列島、特に東北~北海道の火山列が10に分けて考えられることをその要因とともに示している。勉強になった。2024/04/07
やいっち
44
水の果たすマグマやプレートテクトニクスでの役割の大きさに驚いた。せいぜい水蒸気爆発で威力を示す……程度が吾輩の理解だった。水は、水素イオンとHOイオンとに分離して岩石などに成分として含まれ、鬼子のような働きを為す。日本は幾つものプレートが集積し、沈み込み、あるいは乗り上げている。プレート同士の複雑な関りが火山や地震という形になって現れる。太平洋側(に限らないが)では、いよいよ津波を伴う巨大地震が迫っている。関東沿岸にはしばしば津波が襲ってきた。地震の予測ができない以上、人の備えが大事と認識させられた。2019/07/02
まーくん
42
「フォッサマグナ」のように表題にインパクトは無いが、ブルーバックスの地球科学書の中では出色(個人的感想ですが)。主に地震学の知見から日本列島の地下を解き明かしてくれる。最新かつやや専門的な事柄(低周波地震とか)も取り込みつつも、非常にわかり易かった。プレートテクトニクス以前の教育を受けた者にとっては、いろいろ腑に落ちなかった事がこのように解釈されるのかと納得しきり。関東地方の地下における太平洋プレートとフィリピン海プレートの相互関係、新潟ー神戸ひずみ集中帯の根拠、二列の火山帯(那須・鳥海)の意味等々。2018/10/30
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